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THE NEXT:変革を生み出す次の動き

ミドルマネジメントが変われば組織が変わる。1on1コーチングで次世代リーダーを生み出す仕組みとは?

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 以前Biz/Zineにて、東京建物社とSTUDIO ZEROが「事業リーダー向け1on1コーチング」に取り組んだ事例記事を公開しました。本稿はその記事を補足する形で、STUDIO ZEROのメンバーである石井と秦野が、組織人事/プロフェッショナルコーチとして培ってきた知見をお届けします。ミドルマネジメント層(以下、ミドル)が抱える代表的な課題と、それらを乗り越えるための1on1コーチングの活用法を解説。環境変化の激しい時代に必須となる「ミドルのリーダーシップ」に迫ります。

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組織が変われない本当の理由

 経営層と現場の間に立つミドルは、自身の業務、部下の育成、上司への報告・調整など、多面的な役割を同時にこなさなければなりません。結果的に部下との十分なコミュニケーションが量的にも質的にも不足し、現場で起きている課題や新しいアイデアは見落とされていきます。

 また、歴史が長く、指示・命令型のトップダウン文化が色濃く残っている企業では、部下の自主性や創造性が発揮されにくい傾向にあります。そのような場合、新規プロジェクトや現場の柔軟な提案が経営層まで到達しづらくなり、持ち得たはずの競争力を失うリスクが高くなります。

 一方で考慮すべきはミドルのモチベーションです。ミドルは上からの経営方針や下からの現場ニーズに応える立場にあります。重い心理的負担や正当に評価されないことなどから、そのモチベーションは維持しづらくなります。

 これでは、本来は組織の成長エンジンとなる可能性を秘めているミドルが、企業成長の足かせになってしまいます。ミドルが継続的に学習する機会を確保し、評価・フィードバックによって成長を実感できる状態にすべきです。

研修では変われない。行動を変える1on1コーチングの本質

 ミドルが「学びを現場に落とし込む仕組み」を整えるには、個々が置かれた状況や課題をピンポイントで抽出し、かつ忙しい日常のなかでも継続できる育成手法が欠かせません。集合研修やeラーニングは知識を短期的にインプットすることには適していますが、「時間不足」「コミュニケーション不足」「変化対応力不足」といった一人ひとり異なるボトルネックを深掘りし、行動につなげるには“役不足”です。

 そこで効果を発揮するのが1on1コーチングです。1on1コーチングは、

  1. 30分程度で完結し、多忙なミドルでも続けやすい
  2. 取り上げるテーマを当人のリアル業務に直結させ、学びを即実践できる
  3. コーチが双方向の問いを投げかけることで“気づき→行動変容”をダイレクトに促す

という3つのメリットがあります。

 要は「少ない投下時間で最大の行動変容」を生む費用対効果の高い打ち手です。ミドルが自己変革を遂げることで、組織全体が変わる可能性があります。

 1on1コーチングですが、まずは「組織ビジョンと個人のキャリアビジョンをすり合わせる」段階からスタートします。経営層や現場の声を踏まえ、どのようなリーダーシップが求められているのかを明確にし、そこに到達するための具体的なゴールを設定します。

 次に、ミドル自身の強み・弱みを客観的に把握し、行動計画を立てて実践、そして定期的に振り返って修正を行う流れが基本です。

 具体的なステップは東京建物社との記事内にも記載させていただきました。また他にも多くのコーチング書籍等があるので、本稿では詳細を割愛します。

次のページ
多忙なミドルに1on1コーチングを導入するコツ

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この記事の著者

石井 伸幸(イシイ ノブユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

秦野 優子(ハタノ ユウコ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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