UXのROIはどのようにして導けばよいのか?
ジェフ:10-15年前のクライアントの問い合わせ、というものは「とりあえずユーザビリティテストをして測定をしてください。会社の他のニーズというのは全く考えなくていいので、この予算内で実行してください。」といったものでした。 それがむしろ今では、「問題を明らかにするのを恐れないでください」となり、「テストがどのようなインパクトを与えるのか」、「どのくらい社内の重要なテーマに結びつくのか」、「UXにどのような影響をもたらすのか」など、さまざまなテーマと関連付けて考える風潮が急速に拡がっています。 メトリクス計測の裏にある目的、つまりは「会社のより大きなゴールにいかに結びつくのか」というテーマに、今こそフォーカスが移っているように感じています。
篠原:そうすると、米国では、「UXのROI」といったテーマ自体が、まさに今、議論として活発化してきている、というわけなんですね。 日本ではUXの効用が社内全体や上層部に伝わらないといった壁に対して、「UXのROI」による証明や説明に活路を求めようとしています。しかし、今後、「米国におけるグーグルやアップルのようなUXがもたらした成功事例」による突破となるのかを試みるべき道と、あるいは、再活性し始めている米国での議論の流れをしっかりと受けとめながら共闘して進んでいく道とがあるわけですね。
それでは、ジェフの考える「UXのROI」を導く考え方とは、いったいどういったものなのでしょうか?