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新規事業を成功に導く“デザイン”の力

「うまくいかない」のは“型”に頼りすぎのせい? 新規事業に効くデザインの処方箋

第1回

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新規事業の失敗に直結する「見えないズレ」の正体

 新規事業は、熱意と挑戦の結晶です。私自身、ゼロから何かを生み出そうとする現場に数多く立ち会ってきましたが、一筋縄ではいかないのが常です。実際に、チームメンバーの志がいかに高くても、社内の理解が得られず頓挫してしまったり、あるいは、ようやく形にして世に出したプロダクトが、想像以上にユーザーに届かず撤退を余儀なくされたり。こういったケースを多く見てきました。

 では、なぜうまくいかないのでしょうか。私が現場でよく出くわす「典型的な症状」を下図で紹介します。

 これらの共通点は、「何かがズレている」ということです。ズレているのは、プレゼンテーションの技術といった表面的な問題ではありません。プロダクトの価値の定義が曖昧だったり、ユーザー理解が浅かったり、関係者間の認識が揃っていなかったりと、プロジェクトの「前提」そのものがズレているのです。

 たとえば、アイデアを形にする過程で、ユーザーの感情や行動がきちんと咀嚼されていなければ、提供価値は一方的なものになりがちです。また、経営層・開発・営業といった異なる立場の関係者間で、プロダクト価値のイメージがズレたままプロジェクトが進んでしまうこともあります。その結果、プロジェクト全体の方針がブレてしまい、「誰にも刺さらないもの」ができあがってしまうのです。

 このような「ズレ」を発見し、整え、つなぎ直すこと。それこそが、事業開発におけるデザインの非常に重要な役割だと、私は考えています。

 デザインとは、単に見た目を整える仕事ではありません。価値の本質を掘り下げ、プロダクトと人の関係性を設計すること。それが、プロダクトを社会に実装可能なものへと導く力になるのです。

次のページ
プロジェクトの停滞を解消する「デザイン」という処方箋

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この記事の著者

門田 慎太郎(モンデン シンタロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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