インディードリクルートパートナーズ(IRP)は、国内の就業者12,360人の仕事に関する価値観や意識について行った調査結果を利用し、「静かな退職(Quiet Quitting)」について分析した結果をまとめた。
静かな退職とは、従来の熱心な勤務姿勢を捨て、自分の職務に対して最低限の責任だけを果たすという働き方(引用元:リクルートマネジメントソリューションズ「人材育成・組織開発 お役立ち情報・用語集」)。
同調査には、静かな退職に関係すると考えられる、次の4つの設問が組み込まれている。これらの回答結果に応じてサンプルを切り分けることで“静かな退職者と見なせる群”を作成し、全体との違いを観察。

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上司や同僚から得られる情報・支援の違い
「あなたは将来のキャリアに関して、以下の情報や支援を得られていますか」という設問において、上司や同僚から「情報や支援を得られている」と回答した人の割合について、“静かな退職者と見なせる群”と全体を比較。各項目では情報や支援の種類を示しており、A列では“静かな退職者と見なせる群”の結果、B列では全体の結果を示している。
顕著な違いが見られたのは「新たな挑戦を後押ししてくれるサポート」。同支援を得られていると回答した割合は全体の15.2%であるのに対して、静かな退職者と見なせる群では、わずか2.8%にとどまった。
「仕事やキャリアに関して気づきを与えてくれる助言」では、その乖離のレベルは相対的に小さく、静かな退職者と見なせる群でも同支援を得られていると回答した割合は10%を上回った。

所属企業に対する認識の違い
「現在の会社について、あなたの考え(評価)を教えてください」という設問において、各項目に「当てはまらない」と回答した人の割合について、“静かな退職者と見なせる群”と全体を比較。
「報酬面に対する評価」の項目では「他社と比較して十分な報酬を支払っている」「自身の働きぶりに対して十分な報酬を支払っている」ともに、乖離のレベルは相対的に小さいことがわかった。
一方で、「多くの社員が共感する経営理念を持っている」「社員に対して、学びや成長の機会を提供している」といった項目では相対的に大きな違いが見られた。

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