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Indeed、「労働者のスキルに関する日米調査」結果公開 日本人が自認するスキル数は米国の1/4

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 Indeed Japan(以下、Indeed)は、日本と米国の労働者(各国3,096名)および採用担当者(各国1,030名)を対象に、早稲田大学政治経済学術院 大湾秀雄教授監修のもと、「労働者のスキルに関する日米調査」を実施した。

自分の持つスキルへの認識

日本人は自認するスキル数が少ない傾向

 日米の労働者に「自身が所持している仕事関連スキル」を自由記述形式で最大5つまで回答してもらったところ、回答数の平均は日本が0.6個、米国が2.4個となり、日本の自己認識スキル数は米国の1/4にとどまった。

 この傾向は日本の正社員・米国のフルタイムワーカーに絞っても同様で、日本の正社員では平均0.7個であったのに対し、米国のフルタイムワーカーは平均2.3個。管理職に限定すると日本は平均0.9個、米国は平均2.5個で、日米ともに管理職人材の方がスキル自認数が多いものの、日米差の傾向は同様となった。

スキルといえば資格中心の日本と、幅広く認識・言語化できている米国

 自認しているスキル内容について、日本では「会計・経理・簿記」関連が最多。次いで「国家資格(社会福祉士/中小企業診断士/建築士など)」「語学関連スキル(TOEIC/語学力など)」を挙げる人が多い結果となった。具体的な資格名や検定名を挙げる回答が多く、具体的技能や知識などの実践的スキル、いわゆるハードスキルが中心となる一方で、ソフトスキルを挙げる人は非常に少ない傾向にある。

 対照的に、米国ではコミュニケーション能力やリーダーシップなどのソフトスキルを挙げる人が多い結果となった。最多は「コミュニケーションスキル」関連の回答で18.4%。次いで「接客スキル」「コンピュータースキル」の回答が多く、いずれも10%以上が該当する。米国の労働者は、自らの市場価値を意識して所持スキルを明確に言語化できている傾向が強く見られた。

スキルの身につけ方に対する意識

日本は「個人の努力」、米国は「会社・社会の支援」で学ぶ意識が強い

 スキルの身につけ方について、業務との関連性を尋ねた。「スキルは日々の業務から自然と身につく」と考えている割合は、日本は15.2%にとどまる。一方で、米国は約4割(37.9%)と2倍以上の差が見られた。また、「スキルの習得は個人の努力に任せるのでなく、会社や社会が支援すべきだ」と考える人の割合も、日本は15.1%、米国は30.2%と2倍の差となり、米国ではスキル習得を社会的なプロセスと捉える意識が日本よりも強いことがわかった。

 なお、企業側の意識でも同様の傾向が見られる。「スキル習得を会社や社会が支援すべき」とした割合は、日本の21.3%に対して米国は32.3.%。「スキルは業務以外でも意識的に学ばなければ身につかない」は、日本の32.6%に対して米国は21.5%となった。

スキル習得にポジティブな米国

 また、スキルを身につけることについてどのように感じるかを尋ねたところ、「幅広いスキルを持つことがキャリアに役立つ」と感じる割合は、日本が21.6%に対し米国は41.5%と約2倍の差。「スキルを身につけることは楽しいことだ」と感じる割合も、日本が20.2%に対し米国は36.4%。日本よりも米国の方が、スキル習得をポジティブに捉えている人が多いことが明らかになった。

理想のキャリアプランとスキル習得計画の実態

キャリア自律が進む米国、発展途上の日本

 日米の労働者に「キャリアの理想像やその理想に近づくためのスキル習得のプランを持っているか」尋ねた。その結果、明確な理想像とスキル習得計画の両方を持つ人は、日本では9.7%と1割に満たない結果に。一方で、米国では約半数にあたる48.9%が該当し、5倍以上の差が確認された。

 キャリアの理想像はあるが、そのためのスキル習得計画までは持っていない人の割合は、日本は26.4%、米国30.7%と大きな差はない。しかし、キャリアの理想像もスキル習得プランも持っていない人は、日本の44.9%に対し米国は10.1%にとどまるなど、ここでも5倍近くの大きな差があった。

日本では企業の支援がキャリア自律に影響

 労働者の「理想のキャリアプランや、そのためのスキル習得プラン」の有無に影響する要因を明らかにすべく、調査監修者の大湾教授による回帰分析を行った。その結果、「スキル習得に関する勤務先の方針や取り組み」が影響をおよぼしている可能性が明らかになった。

 「理想のキャリアプランや、そのためのスキル習得プラン」を「明確に持っている」と回答した労働者(目的変数)の、勤務先のスキル習得やタレントマネジメントに関する方針・取り組み(説明変数)との相関関係を分析。その結果、特に日本では次のような企業の姿勢がプランを持つ割合の高さと強く相関していることがわかった。

  • タレントマネジメントの仕組み・方針がある
  • 学習にかける時間が勤務時間として認められる
  • 学習費用を会社が補助している
  • 従業員同士で業務に必要なスキルを学び合う・共有し合う場がある
  • スキルを新たに身につけるための学習・習得の機会が提供されている
  • 習得すべきスキルが会社や上司から明示されている

 また米国では、こうした企業の方針とキャリア自律性の関係は限定的で、日本の方が企業の支援の有無に左右されやすい傾向がある。このことから、日本の労働者がキャリア自律性を高めるためには、企業側がタレントマネジメントなどを通じたキャリア支援を提示すると同時に、学習のための時間や費用の扱いや習得すべきスキルの方向性までを明示することが重要であると考えられる。

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