NECは、富士フイルム向けにNEC Advanced-S&OPソリューションのアフターパーツ需要予測ツールの構築を開始した。
NECと富士フイルムは2024年12月から2025年5月末までの6カ月間、富士フイルムのデジタルカメラを対象にAIを活用したアフターパーツの需要予測実証実験を実施した。その結果、従来の管理方法と比べて大幅に精度向上できる可能性があり、デジタルカメラのアフターパーツ需要予測として有効性があることを確認。同ツールの構築開始に至った。

同ツールは、AI技術と、データ分析プロフェッショナルの分析知見、SCMおよびS&OP領域のプロフェッショナルの業務知見を組み合わせたもの。同ツールでは、製造終了した製品のアフターパーツ需要予測を可能にし、需要と供給の最適化を図る。さらに、データサイエンスに基づいた根拠のある予測により、各種ステークホルダーとのコミュニケーションの円滑化とさらなる需要創出に向けた戦略立案の高度化を支援するという。
実証実験の概要
- 過去にアフターサービスの供給期間が終了しているアフターパーツ(約1800種類)を対象に需要予測モデルを作成
- 富士フイルム内の在庫評価資料を用いて、従来の予測結果と机上比較

実証実験の結果
富士フイルムでは、アフターパーツの在庫状況を「枯渇(在庫不足)」「適正(適切な保有量)」「過多(在庫過剰)」に分類し評価・管理している。今回の実証実験で作成した需要予測モデルはアフターパーツごとの特徴を捉え予測。その結果、「適正」在庫に分類される部品点数が従来の管理方法に比べ、机上評価で2.7倍に増加した。
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