Teradataは、カスタマーエクスペリエンス(CX)ソリューション「Teradata Autonomous Customer Intelligence」のリリースを発表した。
Teradata Autonomous Customer Intelligenceは、信頼できる再利用可能なデータセット(データ製品)の構築から、シグナルの検出、コンテキストの解釈、ハイブリッドインフラ全体での自律的な応答の有効化まで、プロセス全体にAIエージェントを組み込んでいる。
同ソリューションの提供に合わせ、導入フレームワーク「Customer Intelligence Framework」および導入サービス「Teradata AI Service」を提供する。
同ソリューションでは次の製品・機能を提供する。
顧客生涯価値(CLV)ソリューション
Teradata Autonomous Customer Intelligenceの最初のエージェント型ソリューション。同ソリューションでは、数千万のデータポイントを活用し、顧客に固有のリアルタイムシグナルを通じて、その価値を積極的に向上させる。エージェントの意思決定も、ビジネスコンテキストとシグナル駆動型アーキテクチャへのアクセスにより改善。
Customer Intelligence Framework
ビジネスアーキテクチャに基づく製品・サービスのエンドツーエンド製品群。Teradata Autonomous Customer Intelligenceに求められる、AI対応データ製品とスケーラブルなモデルを使用してシグナルを検出。体験をパーソナライズし速度、コンテキスト、精度を持って意思決定を導き、データの複雑さとエージェント型AIが要求するシンプルさの両方を処理できる。組織は顧客を知ることではなく、その知識に基づいてインテリジェントかつ自律的に行動するよう企業全体を設計することが可能。同フレームワークの主要コンポーネントには次が含まれる。
データ製品
顧客の行動、取引、インタラクションを整理し、再利用可能なAI対応のデータアセットとして基盤層を形成。レポートやダッシュボードとは異なり、再構築することなく、異なるインサイトを生み出すために繰り返し適用できる。Teradata Industry Data Models(IDM)およびIndustry Analytic Schema(IAS)によって可能になる統合データ上に構築され、Customer 360からAI/ML展開まであらゆるものをサポート。
アナリティクス層
次の製品・機能を活用してパターンを検出して結果を予測し、インサイトを提供する。
- Feature Engineering:生データをパーソナライズされたエンゲージメント向けのシグナルに変換
- Enterprise Vector Store:生成AI、エージェント型AIユースケース向けのスケーラブルなベクトル管理を提供
- ClearScape Analytics:リアルタイムインテリジェンス向けのインデータベースAI/MLエンジン
- AI Workbench:安全なAI展開のための統合ワークスペースを提供
シグナル(インテリジェンス層)
アクションを推進するためのコンテキスト、行動、または意図を表現するデータ内のユニークで認識可能なパターンを検知。このフレームワークでは顧客行動をリアルタイムで検出・スコアリングし、Vantage Customer Experience(VCX)を通じて自動化された、意思決定のためのワークフローにシグナルを組み込む。
エージェント
次の製品・機能により適応性と自動化をもたらし、上記3層にわたってリアルタイムで意思決定を調整。意図を解釈し、インテリジェンスを有効化する。
- Teradata AgentBuilder:マルチエージェントシステムの構築と管理
- Teradata Agents:キュレートされたデータと再利用可能なデータ製品を使用する事前設定済みテンプレートを提供
- AI Applications:自然言語インターフェースを通じてエージェント型ワークフローを可能にし、顧客インサイトを大規模に運用化
AI for CX Use Case Solutions
顧客体験を向上させ、AIの最新進歩を活用するために継続的に革新する、導入準備が整ったパッケージソリューション。Customer Intelligence Frameworkと組み合わせて導入することで、迅速な価値維持とワークフロー全体でのインサイト再利用を可能にする。
Teradata AI Service
Teradataのコンサルティングサービスがセキュリティ、ガバナンス、コスト予測可能性を維持しながら、Customer Intelligence Frameworkをエンタープライズ規模で展開することを支援。データエンジニアリングとパイプライン管理、Enterprise Vector StoreやModelOpsなどのAIサポート機能の展開、Teradata AgentBuilderやTeradata MCP serverを含むエージェントの統合・開発を、信頼できて安全な結果を促進するよう設計されたデータガバナンス構造とともに提供する。組織の既存の戦略と実装におけるギャップは「Customer Intelligence Maturity Workshop」を通じて特定し、課題解決を支援するTeradataのAIサービスを提案。
【関連記事】
・博報堂、エージェントAIとの共創で従業員体験と顧客体験を変革する「CX AI STUDIO」提供
・ソニー、屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX」をリニューアル 高精度な測位で小売DXを支援
・電通デジタルと電通、AI判定モデル実装の購買証明ソリューションを刷新 4サービスとの連携でCX向上