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数字を埋めるだけで終わらない科目別の予算づくり 経営企画部門初任者の実務ポイント

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売上原価予算の第一歩は「管理手法×分析軸」の整理

 売上原価は売上高に連動して増減する費用で、商品・サービスの採算性を正しく測るために重要な項目です。しかし「何を売上原価に含めるべきか」の定義は、特にサービス業などの場合は抽象的になります。事業の内容によって算出方法や分析軸も様々です。

 そこで、原価予算を立てる前に、次の順で自社の原価管理の前提を整理しましょう。まずは自社が発生費用の中でどのような費用を原価として扱っているかを確認し、範囲を明確にします。管理手法は様々ですが、まずは「実績原価計算と標準原価計算のどちらが採用されているか」を理解することが重要です。

 実績原価計算は、実際に発生した材料費や労務費などの実績額を基に原価を算定・管理する方法です。実態を比較的シンプルかつ正確に把握できる一方、実績が前提となるため予算管理には使いにくいというデメリットがあります。

 標準原価計算は、製品1単位あたりの標準的な原価をあらかじめ設定して管理する方法です。実績との比較がしやすく予算管理に向く反面、実態に合った標準値を算出することが難しいというデメリットがあります。自社がどのような管理手法を用いているのか、把握するようにしましょう。

単価の予実に10円の差が生じた理由を説明できるか?

 原価は特に分析の難しい科目です。たとえば、予算で300円と想定していた製品の単価が実際は310円だったとわかっても、構成要素を分類しなければ“なぜ”10円の差が生じたのかはわかりません。

 この場合、変動費/固定費などの軸で分析してみるのも一つの手です。「予算時の単価300円=変動100円+固定200円」「実際の単価310円=変動90円+固定220円」のように、内容を詳細に把握できれば「変動費は下がったが固定費が上がった」と判断できます。固定費の中身をさらに分析したときに、地代家賃が上がっていることを特定できれば、家賃やテナント料の見直しなど具体策につながります。

 直接費/間接費や部門別・工程別など、軸を増やすほど分析は精緻になりますが、管理負荷も高まります。その製品にとって「何を管理すべきか」を見極めることが重要です。そのためにも、まず自社がどのような分析軸を用いているか、確認しましょう。

 原価管理の全体像を理解できたら、次は「なぜそうしているのか」を考えます。原価管理に決まった正解はないため、自社がそのような管理を選んでいる理由があるはずです。それを理解して運用の妥当性を検証した上で、原価予算の策定に進むのが望ましいでしょう。

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人件費は財務会計と管理会計の“見え方の差”に要注意

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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