2025年10月30日、NTTデータグループのフォーティエンスとユー・エス・イーは、業務提携契約を締結し、企業の人事部門によるデータドリブンHRを推進する新サービス「戦略人事Accelerator」を共同で提供開始したと発表した。本サービスは、人的資本情報の可視化と分析を基盤に、人事部門が定型業務中心から経営に貢献する戦略的人事部門へ移行することを支援するものである。
サービスの背景には、人的資本経営の重要性の高まりがある。近年、企業は従業員を「資本」として戦略的に活用し、持続的な成長と競争力強化を図る必要がある一方、多くの企業では人材データの整備・統合や分析体制が整っておらず、データに基づいた戦略人事への移行が進んでいない状況がある。
「戦略人事Accelerator」は、USEが持つ人的資本データ診断・可視化サービス「CHROFY」と、フォーティエンスの人事領域におけるコンサルティングの知見を組み合わせて開発された。人材配置や制度運用、採用や定着など10カテゴリ92指標に基づく可視化・分析の診断を実施し、モニタリングや開示が必要な人事指標の選定、戦略人事への移行支援を提供する。これにより、経験や勘に基づいた人事から、客観的なデータ分析を活用した人事戦略の高度化を図る。
本サービスは2つのフェーズで構成される。第1フェーズは「人的資本データ診断サービス」(約2ヶ月)で、既存システムデータの調査・統合および可視化診断、適切なKPIの選定などを行う。第2フェーズは「戦略人事アクセラレーションコンサルティング」(3ヶ月〜)で、データ収集・管理・可視化支援、人事KPI設計・運用サポート、人事機能変革、人的資本開示サポートなどを提供する。第2フェーズは各社の状況や要望に応じ個別対応する。
費用については、フェーズ1が350万円(税別)、フェーズ2は個別見積もりとなる。フェーズ1は先着5社限定(2026年3月31日まで)で15%割引の297.5万円(税別)で提供される。
今後両社は、戦略人事Acceleratorなど人的資本経営支援のサービスを通じて、企業の人事部門の高度化と経営への貢献を進めていく方針だ。人的資本経営の推進は、企業変革・新規事業に携わる経営企画部門にとっても、戦略実行力強化の観点から注目すべきテーマである。
【関連記事】
・Skillnote、戦略人事を実現するためのデータ基盤「スキルデータプラットフォーム」の開発へ
・「社内版ビズリーチ」、人事主導でルールに基づいた社内スカウトの運用を実現する新機能を提供
・リスキリング対象人材の所属部門トップ3は「情シス」「経営企画」「人事」【パーソルイノベーション調査】
