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新規事業が生まれる組織づくり

老舗企業ホーユーの5代目社長が語る、新規事業と組織づくりのリーダーシップ 全社員に挑戦の風土を

ゲスト:ホーユー株式会社 代表取締役 社長執行役員 佐々木義広氏

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社長自ら全アイデアに目を通す。社員と共に育てる新規事業

大長:ホーユーでは2023年より、社内新規事業創出プログラム「コノユビトマレ」が実施されました。社内公募で案を募集し、書類審査・中間審査・事業化審査を経て、採用されると提案者が経営企画室に異動し、2年間の事業検証に取り組んだうえで、本事業化か撤退かを判断します。

 いろいろな新規事業のやり方があり、M&Aもあれば、新規事業部門などをつくり自前でやることもできる中で、この社内新規事業創出プログラムはどのような想いで作っていったのですか。

コノユビトマレ
社内新規事業創出プログラム「コノユビトマレ」/クリックすると拡大します

佐々木:まずはとにかくスタートしよう、やるなら全社でやろうという気持ちでした。経営企画室の社員に、新規事業の創出プログラムを作ってとお願いしたところ、わたくしの意図をくみ取って形にしてくれました。その中心となっていた経営企画課のメンバーは、過去に人事が作った新規事業開発プロジェクトに参加したものの、最後は研修で終わってしまいモヤモヤした気持ちを抱えていました。「ああはさせたくない」という彼の強い想いもあり、当時の失敗から学んだ仕掛けをどんどん投入して作っていきました。

大長:早い段階から部署を異動させたり、ワクワクステージに進んだ案には開発予算プールをしっかり渡して進めさせたりなど、さまざまなルールを決めていきましたね。われわれbridgeにもお声がけいただき、プログラムの設計と仕組みづくりから入らせていただきました。外部の実践者から刺激を受ける機会を作ったり、仮説検証のやり方を動画と実践で学ぶ仕掛けを作ったり、参加者を増やすための社内広報を行ったり、さまざま仕掛けづくりをご一緒しました。

大長伸行
(左)株式会社bridge 代表 大長伸行氏

細部に経営者の本気度が宿る。言葉より雄弁な行動

佐々木:経営企画室のメンバーとbridgeさんに協力していただき、1つの形が出来上がって、早くスタートを切れたことに感謝しています。役員の中でもたくさん意見交換をしました。「いきなり人を抜かれるのは厳しくない?」という話もあったのですが、「そこまで本気でやらないと成功しないよね」ということで、役員合意のもと最終的に決めていきました。3年という期限を決めて、取り組んだことも大きいと思います。

大長:多くの企業は、なかなか異動させられないのです。異動させると、事業部長から嫌な目で見られたり、新規事業の事務局の人も怖くて社内を歩けないと言ったりします。その点、ホーユーでは役員の方がちゃんと送り出すのがすごいと思います。

 さらに驚いたのは、佐々木社長が書類審査から、全てのアイデアに目を通してフィードバックすることです。普通はそんな時間がかかることをしないので意外でした。他の企業では、事業案としてかなり固まった段階で、執行役員が社長にプレゼンするというスタイルが多いです。

佐々木:そうなのですね。私はそれが当たり前だと思っていました。当社の場合、新規事業の立ち上げは私の想いから始まっているので、そこに参画しない理由がないし、違和感はなかったです。

大長:最初の書類段階では思いつきの案も入り、粗いものも出てきます。それでもちゃんと見て点数をつけて返すのは、非常にエネルギーを使うことです。だから多くの社長は、ある程度仕上がったら案を見ることが多いです。ホーユーでは、「佐々木社長が見ている」ということが、社員もみんな「本気なのだ」と感じていて、われわれbridgeが起案者に個別メンタリングをした時も、それがひしひしと伝わってきました。

佐々木:たしかに大変でしたが、自分事として優先順位が高く、それをみんなに手伝ってもらっているという考えでいます。みんなも真剣にやってくれており、私も常に腹を割って話すようにしています。そして私の想いを伝えることが何より大事だと思っているので、「入り込む」ということを強く意識しています。

大長:社長の本気度をみんなが感じていたことが、一番大きい要因だったかもしれません。新規事業を推進する上で、佐々木社長が果たす重要な役割とリーダーシップが理解できました。

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3年間で6件が事業化へ。数字に表れた“挑戦の文化”

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この記事の著者

大長 伸行(オオナガ ノブユキ)

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