2025年12月18日、NEWhは、NTT西日本が同年10月27日より提供を開始した音声AI事業「VOICENCE」の事業化支援を行ったことを発表した。本支援にはNEWh独自の事業構想フレームワークである「バリューデザイン・シンタックス(VDS)」を活用し、意思決定基準の策定から事業構想の精緻化、事業化判断に至るまでの一連のプロセスを共創型で実施した。

VOICENCEは、AI音声合成技術と独自の権利保護技術を活用し、声優・俳優・タレントなど実演家から提供された「声」を公認AIとして安全かつ健全に活用できるコンテンツプロデュース事業である。近年、生成AIの普及に伴い「声」の無断利用や偽音声が社会問題化するなか、NTT西日本はブロックチェーン技術などを用い「声の真正性」を証明し、実演家の権利を保護しつつ多言語・多様なコンテンツ展開を可能とした。

NEWhの支援内容は、ビジネスモデル構築に伴う各種論点の整理と設計、事業および収支計画の策定、事業化申請資料の作成支援、立ち上げ後の活動管理や事業管理スキーム設計など広範囲にわたる。一連のプロセス推進にあたってはVDSを用い、意思決定の基準や要件を明確化し、プロジェクト関係者間の共通言語とすることで合意形成と意思決定の迅速化に寄与した。

VDSは、事業構想の要素を「構文」として可視化するフレームワークであり、全体像や各要素間の整合性、弱点を把握しやすくする。これにより、必要なプロセス・リソースの明確化や、社内・経営層も含めた合意形成の促進など、事業化における意思決定プロセスの効率化が期待できる。

VOICENCEは、日本語を含め6カ国語で展開し、本人が話せない言語でも本人の声色で発信可能とする。また、声の権利保護に関しては、AI音声が本人の許諾に基づく正規のものであることをブロックチェーンで証明し、利用データにも証明情報を付与する仕組みを整備している。主要な声優や俳優もパートナーとして参画し、将来的な多様なコンテンツ展開を目指している。
VOICENCEカンパニー長 花城高志氏は「前例のない新規事業の事業化において、VDSによる構造的かつロジカルな議論の場作りと合意形成の加速が大きな価値となった」とコメントしている。
本事例を題材としたトークイベントも、2026年1月22日に開催予定である。
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