KPMGインターナショナルは2025年10月7日、世界の経営者の将来見通しや経営上の重点施策に関する「KPMGグローバルCEO調査2025」を発表した。本調査は、2025年8月に11ヵ国・12業界の企業経営者1,350人を対象に実施し、今後3年間の経済・ビジネスの展望を分析したものである。
調査によれば、世界経済の成長見通しに自信を持つCEOの割合は68%と、前年の72%から低下。これは2022年以降で最も低い水準となる。こうした環境変化を受け、多くの企業で成長戦略の見直しが進んでいる。
成長施策の中でもAI(人工知能)投資は依然として最重要分野と位置付けられており、69%のCEOが今後1年間で総予算の10~20%をAI関連に充てる計画を持つ。AI活用による効率化や新規事業創出が期待される一方、AI人材の獲得競争は激しさを増している。70%のCEOが人材獲得競争への懸念を示し、77%が従業員のAIスキル向上を課題として挙げた。
また、今後1年間で雇用拡大を検討するCEOは92%に上り、テクノロジー分野を中心とした組織強化の動きが見込まれる。さらに、ネットゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)目標を達成できると感じているCEOも、前年の51%から61%と増加した。
本調査では、複雑化する経営環境下でのリーダーシップの変化や、デジタル・人材・サステナビリティを軸にした成長戦略の重要性が浮き彫りとなった。
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