「スキル資本経営」の実装:2026年、リーダーが取るべきアクション
LinkedInとHRBrainの協創から浮かび上がるのは、これからの経営リーダーに求められるのは「スキルの目利き」としての資質であるという事実だ。
経営企画や人事部門が直面する2026年の課題は明確だ。それは、自社が持つ人材のスキルを「解像度高く把握できているか」という問いである。どれほど優れた事業戦略を立てても、それを実行するスキルが組織内に欠けていれば、戦略は画餅に帰す。
田中氏が指摘した「将来的にスキルの7割が入れ替わる」という予測は、裏を返せば、常に学び続ける(リスキリング)文化を組織に定着させた企業が、圧倒的な競争優位性を築けることを意味している。LinkedInラーニングのような広範な学習プラットフォームを自社のタレントマネジメントシステム(HRBrain)と同期させることは、従業員に対して「学びが自身の評価やキャリアに直結する」という強力なメッセージとなる。
また、堀氏が提唱する「AIエージェントとの共生」も避けては通れない。AIが下書きを作り、人間が仕上げる。AIが分析し、人間が判断する。この「Human-in-the-Loop(人間が介在するサイクル)」を前提とした業務設計こそが、組織全体の生産性を飛躍的に高める鍵となる。
「Human-in-the-Loop」を前提とした業務設計、そして法規制や知財をクリアした信頼できるAIパートナーの選定。この2つが、2026年のAI経営における成否を分かつ分水嶺となるだろう。
人的資本を「管理」から「投資」へと昇華させる
本セミナーの締めくくりとして、田中氏は日本の若い世代への期待を、堀氏は日本企業の変革への決意をそれぞれ語った。
「日本の若い世代に、より明るい未来を感じてほしい。そのために日本経済を活性化させる一助となりたい」という田中氏の言葉は、単なるビジネスの枠を超え、社会インフラとしてのLinkedInの使命感を感じさせるものだった。一方、堀氏は、4,000社以上の顧客と向き合ってきた経験から、「人事はコストセンターではなく、バリューを創出するセンターへと脱皮できる」と確信している。
読者である経営企画やDX推進のリーダーたちは、今すぐ自社の「スキル資産」のたな卸しを始めるべきだろう。自社にどのようなスキルが足りないのか、そしてそれを「採用」で補うのか、「育成」で育てるのか。その判断を下すためのデータは、今まさに手の届くところに用意されている。
