デザイン会社の盛衰からみる今後のビジネスに求められること
特に紹介したいのが、この三年間M&Aとして市場で起こったことです。デザインファームが戦略コンサルティングファームや大企業に買収されるという事例は、一つや二つでなく、たくさん起こっています。部分的にはいい動きでした。なぜなら、デザインファームが、買収先の大企業の一部になり、独自性を保ちながら及ぼせる影響範囲がより大きくなったからです。しかし、悪い影響としては、独立したデザインファームがどんどん少なくなり、買収先の「旧態依然としたプロジェクトの開発モデル」を使わなくてはならないという事態が起こり、その結果、本来持っていたデザインファームの良さが消滅するということが起こっています。
テニー氏が提唱するデザインの形は『The Service Startup: Design Thinking Gets Lean』という著書にまとめられている。そこには、古いビジネスモデルとして「作って、売る」型が紹介されている。これは製品こそが企業の商品であるという考えに貫かれたモデルだ。