ビジネスモデルに影響を与える「外部・内部要因」を評価・点検するシミュレータ

第11回:事業環境マップ編

 今回は、ビジネスモデルの外部環境をアセスメントするためのツールである「事業環境マップ」を中心に、内部環境としてのビジネスモデル評価、外部/内部環境から戦略オプションを導くためのSWOT/TOWS分析をご紹介しましょう。

[公開日]

[著] 白井 和康

[タグ] ビジネスモデル 不確実性 ビジネスプラン 仮説指向計画法 リアルオプション

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ダイナミックに変化する「外部環境、相互作用、変化の度合い」の把握

 新規事業が失敗する最も大きな原因は、「ターゲットとする顧客が欲しくないモノを作ってしまうこと」にあることは第3回目の記事の冒頭で触れましたが、その次に主要な原因となるのが「事業を取り巻く環境の考慮不足」にあると言われています。

 書籍『ビジネスモデルジェネレーション』ではビジネスモデルを取り巻く外部環境を大きく4つの領域に分け、自社のビジネスモデルに影響を与える要因をピックアップし、各々の要因についてアセスメントすることを推奨しています(図1)。

  • 重要なトレンド – 規制、技術、社会や文化、社会経済に関するトレンドなど
  • マクロ経済 – グローバル市況、資本市場、経済インフラ、コモディティや他のリソースなど
  • 市場の趨勢 - 市場セグメント、ニーズと需要、市場の課題、スイッチングコスト、収益の魅力など
  • 業界の趨勢 - 競合他社、新規参入者、サプライヤーやバリューチェーン上の他のアクター、代替プロダクトやサービス、その他利害関係者など

 重要なトレンドとマクロ経済は「マクロ外部要因」、市場の趨勢と業界の趨勢は「ミクロ外部要因」として捉え、前者を「PESTLE(政治、経済、社会、技術、法律、環境)」、後者を「6フォース 注1)」(競合、買い手、売り手、新規参入者、代替プロダクトとサービス、補完事業者)として整理することもできます。

ビジネスモデルを取り巻く4つの外部環境図1. ビジネスモデルを取り巻く4つの外部環境

 外部環境の主な要因は静的なものではないため、各々の要因の相互作用や変化の度合い(外部環境のダイナミクス)を把握することが重要です。

 相互作用の観点において、典型的にはマクロ経済がミクロ経済に作用し、ミクロ経済が自社のビジネスモデルに作用します(例えば、特定の技術の進化は新規参入者を促進するかもしれませんし、経済の停滞は買い手の財布の紐を固くするでしょう)。あるいは、マクロ経済が直接的に自社のビジネスモデルに作用する場合もあるかもしれません。変化の度合いの観点において、各々の要因の変化が安定しているのか、急激に変化しているのか、一時的なものかどうかをウォッチすることが不可欠です。

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