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レイ・クロック曰く、「私のリソースは不動産」

第11回

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人的・知的リソースは時価総額を増加させる

物的リソース

 これは、生産設備や輸送車両、建物や工場、機械やシステム、プラットフォームやネットワーク、流通や販売チャネルといった物理的な資産を含むものです。製造業は工場や生産設備、小売業は販売ネットワークといった物的リソースに大きく依存することになります。マクドナルドが不動産活用に長けた企業であることは意外と知られていませんが、創業者のレイ・クロックは「私のビジネスはハンバーガーを売ることではなく、不動産だよ」と語っていたそうです。

財務リソース

 現金、借入限度額、ストックオプションといった財務リソースが、自社のビジネスモデルにとって重要な場合もあります。金融や不動産ビジネス、社会公共インフラ事業、あるいは投資会社にとって、財務リソースは欠かすことができません。

 物的リソースと財務リソースは、資本集約型の企業にとっての重要なリソースです。この2つのリソースはバランスシート上で比較的容易に見つけることができます。ただし、その評価額(簿価)自体はビジネスモデルにとってあまり重要な要素ではありません。逆に過小評価あるいは過大評価してしまうことさえあります。

人的リソース

 企業で働く人は、どのようなタイプの企業であっても重要なリソースです。特に、労働集約型あるいは知識集約型の企業にとってはなおさらです。人的リソースはバランスシート上には載っていません。これは法律上、企業は人間を所有することはできず、雇用契約によってその労働力を調達しているからです。現代において、単純な労働の多くは機械やコンピュータが処理できるようになってきていますので、人的リソースの価値は労働力の提供から知識の提供にシフトしてきています。

知的リソース

 特許、著作権、ブランド、のれん、評判、パートナーシップや顧客情報といったリソースは、強力なビジネスモデルを築くための重要なコンポーネントとなります。これらの知的リソースを作り上げていくことは簡単ではありませんが、持続可能な価値を提供するための源泉となります。また、自社の中で埋もれていて活用できていない知的リソースを探すことも必要です。なぜならば、知的リソースもまたバランスシート上には現れず、過小評価されている場合があるからです。

 企業評価の観点からすれば、バランスシートでは見ることができない人的リソースや知的リソースに大きな価値を持っている企業ほど、大きな評価(簿価に対する時価総額)を得る傾向にあります。また、希少で競合他社から容易に困難できないリソースほど競争優位の源泉となります(図表4)。

模倣の容易なリソースと困難なリソース図表4.模倣の容易なリソースと困難なリソース

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ブランド・特許・評判のリソースは使ってナンボ

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

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