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先が見えない新事業を「見える化」する方法―Excelによる利益シミュレーション

第3部:Excelによる事業利益のシミュレーション(第2回)

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“見えない将来”を「見える化」するには?

 新規ビジネスの企画、計画の根幹を成す利益の計画。意思決定者はこれを見ながら、その是非を判断する。にも関わらず、そこに提案される内容は、“ある前提”に基づいた試算結果が多い。

 では、その“ある前提”が事実と異なったら? 読みが間違えていたら? その差やリスクは誰がどのように把握するのだろうか。

 この前提が事実と異なる場合の「穴」を埋められるか否かの違いは、計画と現実とのギャップとなって表れ、その事業規模が大きいほど会社組織にボディーブローのように効いてくる。

 では一体、その根本的な対応策は何だと思われるだろうか?

「前提の精度を上げること?」

 確かにそれは「理論的には」正しい答えかもしれない。
 でも、現実問題として前例の無いビジネスを企画するとき、または既に競合他社が開始しているものの、競合の実績データなど逆立ちしても手に入らないときには、「分からないものは分からない」と開き直らざるを得ない。きれいごと、正論は全く通用しないことのほうが多いのだ。

 そこで、このように前提の精度を上げることそのものに限界があり、前提や想定を一定値ではなく幅を持って対応せざるを得ない状況で威力を発揮するのが「シミュレーション」だ。

 前回、「利益シミュレーションとは何か」について紹介したが、これを実現する最適なツールが、多くの人が日常的に使っているExcelだ。

 Excelの関数機能や参照機能をフル活用することで、前提を変えるとどう最終結果が変わるのかが瞬時に確認できる。その結果、例えばある前提ではプラスとなっている最終利益額が、ある変数の前提を少し変えただけでもいきなり大赤字になるケースに直面するかもしれない。その時初めて「答えを一つしか出さない」ことのリスクに気づくことになる。

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この記事の著者

柏木 吉基(カシワギ ヨシキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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