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デザイン軸で事業を考える日立とNEC―あまり知られていない「人材・組織・評価」の変革

btrax セミナーレポート Vol.4

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課題解決が重要な時代に必要なデザインの力

 コーポレートイノベーションとデザインの力が、近年注目されている。その潮流のなかで、事業開発に「デザイン」を取り入れようとする企業が増えてきている。企業は「デザイン」をビジネスにおいて、どのように活用すべきか、またエグゼクティブをどう巻き込んでいくべきか。日本の大手企業である日立製作所とNECの取り組みを紹介する。

伊藤英太郎株式会社日立製作所 研究開発本部東京社会イノベーション協創センタ リーダ兼主任デザイナー 伊藤英太郎 氏

 日立製作所は、カリフォルニアに拠点を置くHitachi America,Ltd.のR&Dセンター内に、2011年、UXデザイン・ラボを立ち上げた。今回登壇した伊藤氏は、そのラボのマネージャー兼シニアデザイナーとして2年間従事し、主にデザインチームのマネジメントをしていたという。チームメンバーのバックグラウンドは多彩で、心理学者、社会学者、人類学者など、社会の変化や人間の変化に敏感なリサーチャーとデザイナーが多く在籍している。同氏の仕事は彼らをコラボレーションさせることで、イノベーションを促進するというものだった。

 2016年1月には、「デザインをどうしたらイノベーションにつなげられるか」という取り組みを体現するひとつとして、北米社会イノベーション協創センタ(Global Center for Social Innovation-North America)を設立し、そのデザインに取り組んだ。

社会イノベーションの実現に向けて

 伊藤氏はUI(ユーザーインターフェース)が専門だったため、主に情報面でのデザインを担当していた。そんな同氏が、リアル空間である「オフィスのデザイン」を行った理由は、主にふたつある。ひとつは、「イノベーションに貢献するための手段として最適であったこと」。ふたつめに、「デザイナーは課題に対して柔軟に対応し、価値を生み出すために貪欲になれることを証明したかった」と語った。

 同氏は、顧客ニーズの理解という点で、今後「デザインの力」はより重要になると語る。デザインには「インターナルとエクスターナルの両面」があるとした。どのような両面性があるのかというと、モノをデザインすれば済んだ時代は顧客のニーズを理解するという意味で、エクスターナルの面だけでビジネスとして成立した。しかし、ニーズが多様になる昨今では、事業開発を行う企業内部でさまざまなバックグラウンドを持つ人材とコラボレーションをしなければ、ニーズは掴みづらくなっているというのだ。顧客と「共感覚」を持つためには、「デザイナーが“早め早め”に前にでて、失敗を恐れずプロトタイプや仮説思考でモノやサービスをつくり、“内部での共感覚”も培っていく必要がある」と語り、日立製作所が近年、デザインを重視する取り組みを活発に行う背景について述べた。

日立では、ビジネス全体にデザイナーが関与して、社会課題から解決策というアイデアを探り、検証し、ビジネスモデルに昇華させ事業を生み出す、もしくは拡大するという取り組みが起きています。その取り組みを強く主導する存在として、デザイナーが求められています。

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