どうすれば「創造性」を適切に評価できるのか?
btrax 多田氏:
アメリカでよく言われているのが、デザインを取り入れて、事業プロセスを変えるのは直接的に「数字に見えない部分」でもある。経営陣としてはその取り組みをいかに評価するべきか、というところが難しくもあり、重要なマネジメントになります。デザインを軸とした新規事業の取り組みをどのように評価されていますか。
日立製作所 伊藤氏:
実は、これはとても悩んでいます。デザイナーの視点からでいうと「ユーザビリティから定量化をする」といったスコープはあります。ただ、経験を定量化するのはとても難しい作業であります。ひとつアメリカのKPIの例で感銘を受けたのが、「GoogleX」の業務評価です。失敗した個数をその人の評価指標にしています。それは、そもそもイノベーション自体が明日儲かるからやるのではなく、1億分の1でも巨大な未来の事業の種を発掘するためにやるもの、という考えが背景あります。つまり、いかに失敗を多く重ねるかがKPIになると考えています。 100個失敗した人よりも、1000個失敗した人を褒める。これからは、このような指標が必要なのかもしれません。