縦スクロール、完全カラーという新しいマンガの文法
たとえば、最も特徴的な仕様が「縦スクロール」だ。従来の電子コミックの多くはPCでの閲覧を前提とし、横に横にとページをめくるような形式で、小さな画面では読みにくい。そこでcomicoはスマートフォンでの読みやすさを最重視し、縦スクロールを採用した。
実は縦スクロールは韓国で『Webtoon(ウェブトゥーン)』と呼ばれ、スマホでマンガを読む際のスタンダードとなっています。とはいえ、従来のコミックを電子化して読む方法が普及していた日本では、横スクロールに慣れているユーザーが多く、受容されにくいのではないかと言われました。しかし従来の電子マンガ好きではない、これまでスマホでマンガを読んでこなかった層にアプローチするには、縦スクロールの方が望ましいと考えたのです。(春木博史氏)
加えて「完全カラー」にこだわったのも、スマホの画面でより魅力的に見せるためだ。とはいえ、縦スクロールも完全カラーも、ユーザーには魅力的でも描く方には負担となる可能性もある。クリエイター側に反発や戸惑いはなかったのだろうか。