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三井不動産のオープンイノベーションは「ライフサイエンス」を軸に“3つの利”を活かす

第8回:三井不動産株式会社 日本橋街づくり推進部 事業グループ統括 朝比奈宏氏

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 朝比奈宏氏は三井不動産株式会社 日本橋街づくり推進部の事業グループ統括を務め、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)の立ち上げにおいて中心的な役割を果たす。2013年に日本橋街づくり推進部に異動するまでは住宅分野でキャリアを積んできたという朝比奈氏が、都市・街を起点としてイノベーションを支援する「プラットフォーマー」という立ち位置で新しい事業にどのように取り組んでいるのか、INDEE Japanの津田真吾氏と津嶋辰郎氏がインタビューした。

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日本橋という街の特性からライフサイエンス分野の事業支援を発想

津田(株式会社インディージャパン 代表取締役/テクニカルディレクター):
 朝比奈さんは今までどういった仕事をされてきたんですか?

朝比奈(三井不動産株式会社 日本橋街づくり推進部 事業グループ統括):
 三井不動産はいわゆる総合デベロッパーと呼ばれる業態で、売り上げでは日本一の不動産屋です。オフィスビル、商業施設、住宅、物流施設といった商品ごとに事業本部を立ててビジネスをしているのですが、私は入社して17年目で、ほとんどの期間は住宅に携わってきました。今の部署に移ったのが2年半ほど前です。
 日本橋まちづくり推進部というのは、街のあるべき姿を思い描き、建物ができあがった後の付加価値をつけるということを「日本橋エリア」という単位で考えてマネジメントしていく部門です。

津田:
 日本橋は三井グループの創業の地でもありますよね。以前は「何を建てるか」で事業部が分かれていたところ、「エリアマネジメント」という軸で街をつくるということを新しく始めたわけですか。

朝比奈:
 個々の建物ではなく、さまざまな用途が混ざり合いながら魅力的な街にしていくことを目指しています。当社では「ミクストユース」と呼んでおり、他には六本木のミッドタウンや日比谷、豊洲、五反田、千葉県の柏の葉などでエリアマネジメントをする事業部があります。

津田:
 日本橋街づくり推進部の取り組みの一環として、日本橋ライフサイエンスイノベーション推進事業と、6月3日に発足した一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(以下、LINK-J)でも主要な役割を担われていますよね。「ライフサイエンス」という分野に着目したのはなぜですか?

朝比奈:
 日本橋のエリアマネジメントをする中で大切にしていることがいくつかあります。街がもつ歴史、きらびやかな中央通りから一歩入ると古い町並みが残っているというような関係性、もともと水の都だったことから水を大切にしようということなどと並んで、この街自体で何かしら事業を育てていくということもそのひとつです。
 事業を育てるといったときに一体何ができるんだろうと、地図を見たり街を歩いたりして考えたのですが、日本橋は昔ながらの薬種問屋の街だったんですね。今はアステラスさん、第一三共さん、中外製薬さんの本社ビルがありますし、武田薬品工業さんのビルは建設中です。トップ10のなかの4社くらいが半径何十メートルくらいの中にいるというこの集積度は、世界でも類を見ない状況で、この特長を活かさない手はないと。広い意味でライフサイエンス業界の方が働きやすい町にしていくことが、まさにエリアの活性化に繫がるのではないかと考えたのです。

朝比奈宏朝比奈宏氏(三井不動産株式会社 日本橋街づくり推進部 事業グループ統括)

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