戦略策定プロセス-アセスメントから戦略決定まで
これからご説明していく戦略策定プロセスは、欧米ではかなり幅広く活用されており、ケーススタディも多く紹介されているものです。このプロセスは、「インプットステージ」、「マッチングステージ」、「意思決定ステージ」という3つのステージから構成されています(図4)。
この作業において必要となる基礎情報は、前回ご説明した外部および内部影響要因のほか、競合他社に関する情報や主要な財務情報などです。
戦略策定プロセス1:インプットステージ
外部要因評価マトリクス(EFEマトリクス)の作成
インプットステージにおける1つ目の作業は、「外部要因評価マトリクス(EFEマトリクス)の作成」です(図5)。洗い出された多くの外部環境要因の中から、自社のビジネスに作用する可能性のある機会と脅威を、各々5~10個程度書き出していきます。
次に、機会と脅威の合計が1になるように、各々の要因の重要度のウェイトを決めていきます。スコアリングは、4=充分に対応できている、3=かなり対応できていない、2=ある程度対応できている、1=対応できていない、が基準となります。ウェイトにスコアを掛け合わせたものが加重スコアであり、加重スコアを足したものが加重スコア合計となります。
内部要因評価マトリクス(IFEマトリクス)の作成
インプットステージにおける2つ目の作業は、「内部要因評価マトリクス(IFEマトリクス)の作成」です(図6)。基本的な要領はEFEマトリクスと同じです。スコアリングは、4=重要な強み、3=小さな強み、2=小さな弱み、1=重要な弱み、が基準となります。なお、EFEおよびIFEマトリクスの合計の平均スコアは2.です。それを上回っている場合、現状において相対的に好ましい状態にあると、このステージにおいて判断することができます。
競合ポジションマトリクス(CPMマトリクス)の作成
インプットステージにおける最後の作業は、「競合ポジションマトリクス(CPMマトリクス)の作成」です(図7)。競合ポジジョンマトリクスは、競合企業との関係における重要成功要因をベースとした相対的な自社の強みと弱みを明確にすることを目的とするものです。これは、外部および内部影響要因に対応する戦略課題、競合他社と比較した自社のポジションを明確にする目的で整理していきます。スコアリングは、IFEマトリクスと同様、4=重要な強み、3=小さな強み、2=小さな弱み、1=重要な弱み、が基準となります。