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SWOT分析の定量化と「戦略の選択」

第19回

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主観評価と客観的なシステムアプローチの統合

 前回の戦略策定プロセスでは、強みと弱み、機会と脅威のウェイト付けとスコアリングからスタートしました。定量化しようという試みは、従来のSWOT分析を進化させるものでした。ただし、皆さんのなかには「どのように客観的なウェイト付けやスコアリングをすれば良いのだろうか?」という疑問を持った方も多いでしょう。さらに、「多数の人間が集まって評価するにはどのようにしたら良いか?」という疑問もあるかと思います。

 この問題を解決するために、「階層分析法(AHP=Analytic Hierarchy Process)」および「ネットワーク分析法(ANP=Analytic Network Process)」というツールをご紹介しましょう。AHP/ANPは、米国ピッツバーグ大学のサーティ教授が提唱したもので、人間の主観的判断とシステムアプローチによる両面から意思決定を支援するツールです。

 AHP/ANPは、「最終目的(何を決めたいか?)」、「評価基準(何をベースに評価するのか?)」、「代替案(その選択肢は何か?)」などの「階層構造」を表すことからスタートします。SWOT分析に活用する際、これらの階層は図のようになるでしょう(図3)。評価基準に関しては、さらに階層化することも可能です。

ネットワーク分析法図3:ネットワーク分析法

 AHPにおいては「評価基準の間に相互依存関係がない」ANPにおいては「相互依存関係がある」ことを前提としていることが、大きな違いです。

 実際に、前回のサンプルの一部を用いて具体的に説明していきましょう。最終目的は「市場認知度を向上させるための戦略の決定」、評価指標は「4つのSWOT要素(話をシンプルにするために1階層のみとします)」、戦略の代替案は「直営店舗の展開(前方統合)」と「革新的かつ低価格の製品開発(製品開発)」の2つとします(図4)。また、SWOTの各要素間には相互依存関係がないことを前提とします(これも話をシンプルにするためにAHP活用を前提とします)。

戦略決定のための階層構造図4:戦略決定のための階層構造

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ゴールに対し「SWOT要因の重要度」を定量化

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白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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