聖と俗の「二世界モデル」から、この世で幸せを求める「一世界モデル」へ
入山:
なるほど、、、確かにそうですね。原罪、煩悩、娑婆(しゃば)、忍土(にんど)など、どれも現世を表す言葉で、必ずそれに対になる「聖なる」ものがある。極楽、天国、悟りの世界などですね。
藤田:
そう、これまでの宗教的思考の基本形とでも言えるもので、いわばよく考えられた“宗教的な世界デザイン”です(笑)。まずはこの現世を価値的に否定しておいて、それとは別の価値の高い聖なる世界を想定させ、「その仲立ちをするのがわれわれ聖職者である」と売り込む。それが2000年以上にわたって続いてきたこれまでの宗教の典型的な「販売モデル」です。