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濱口秀司は語る「日本人のイノベーション力は最強だ」

濱口 秀司/「HPSWorld 2013」 基調講演レポート・後編

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BTCのどこでバイアスを壊せばよいのか?

 濱口氏は、ビジネスイノベーションと連動した、汎用性の高いもっとも安定的なターゲットの定め方として、「BTC(ビジネス、テクノロジー、カスタマー)」という考え方を提唱している。

イノベーションを起こすカテゴリー、BTC▲ 図表2 イノベーションを起こすカテゴリー、BTC

 濱口氏は、BTC別にイノベーションの数を数えるという研究で、BTCをさらに細かく分けたイノベーションの項目を設定して統計処理をし、業界ごと、年代ごとにBTCのどの分野でイノベーションがどれだけ起こっているかを調べた。

 その分析から、かつてはイノベーションは専ら技術分野で起こっていたが、最近はテクノロジーの差別化だけでは、勝者になることができなくなってきていることが明らかになった。

イノベーションが少ない分野に目をつけたデルコンピュータの例

 上記の例として、濱口氏はデルの例を挙げて説明した。1970年代のコンピュータ業界のイノベーションは、CPUのスピードやインターフェイスの改善など、ほとんどが技術周辺で起こっていた。ビジネスモデルや顧客エクスペリエンスの分野では目立った動きはなかった。

デルが登場した頃、面白かった点は、同社はCPUもインターフェイスも製造していない会社だったということ。イノベーションを技術ではなく、その左右のBとCで起こした。その左右でイノベーションを起こして、10年間ほど業界でもっとも高いROIを誇った

 たとえば、Cにおいて、デルはウェブ販売をいち早く導入し、店頭購入からカスタマイズした商品を買えるオンライン注文へと、顧客エクスペリエンスを変えた。さらに、創業者の名前をそのまま社名にし、デルというブランドを確立した。Bにおいては、クレジットカード決済で先に代金をもらい、運転資本を材料の購入前に集められるという通常とは逆のモデルを作り、それを実現するためのパートナーと組んだ。

 この事例から得られる教訓は、各者がこぞって競争している分野でないところに注力してイノベーションを起こしたという点だ。

一点狙いから、コンビネーションで考えるべき時代へ

 BTCのすべての分野でイノベーションを起こす努力が必要だ。1度に1箇所ずつ手がけていってもよいが、最終的には全カテゴリーでのそれぞれのバイアス壊しがきれいにつながった状態を作ることを目指す。

BTC全カテゴリーでのイノベーション▲ 図表3 BTC全カテゴリーでのイノベーション

 「アップルのすごいところは、ブランドも、テクノロジーも、デリバリーも、BTCのすべてで、イノベーションを図っている点だ。1点狙いではなく、コンビネーションで考えなければならない時代になっている」

BTC全カテゴリーでイノベーションを起こしているアップル▲ 図表4 BTC全カテゴリーでイノベーションを起こしているアップル

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MUJIで考える日本人がイノベーションに強いはずの理由

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