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Startup Studioによる事業開発

事業開発スピードと成功確率を格段に上げる「Startup Studio」とは?

Startup Studioによる事業開発:第1回

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スタートアップ創出の新たなモデル Startup Studio

 Startup Studioは、スタートアップを連続的に生み出し、成長させるための新たな組織・事業形態だ。eFoundersによれば、現在世界に150以上のStartup Studioが存在する*。2007年に創業されたbetaworksがその代表格だ。betaworksは3つの事業を行っている。スタートアップへの投資事業(Everlane、IFTTT、Kickstarter、Medium、Tumblrなど100社以上に投資している)、スタートアップを買収し再生する事業(Diggの買収は話題になった。また2014年にInstapaperを買収し、その後同事業を2016年にPinterestに売却している)、そして内部で新たに事業を生み出しスタートアップとして立ち上げる事業(最も有名なのはゲームのDotsだろうか。他にもChartbeatやBitlyなど成功した事業を複数立ち上げている)だ。

betaworksの事業概要図1: betaworksの事業概要

 いわば、betaworksはインターネット事業にフォーカスしたVC(ベンチャー・キャピタル)であり、プライベート・エクイティであり、そしてインキュベーターでもあるのだ。彼らは投資事業をFund、再生事業およびインキュベーション事業をStudioと呼び、自らをStartup Studioと定義している。自ら事業を作り成長させることの出来るスキルを持ったメンバーを抱え、それらを活かして投資やインキュベーション事業を行う。これがStartup Studioである。

 日本発のStartup Studio(的組織)であるBEENOS / BEENEXTの前田ヒロ氏はブログで「Startup Studioの特徴は、エンジニアリング、デザイン、マーケティング、リクルーティング、そしてその他のオペレーションをすべてインハウスで持つこと。Startup Studioは、これらのリソースを駆使して、新しいスタートアップを生み出したり、投資先の事業を成長させたりしている。そしてもう一つの特徴は、実際に事業を創ったことのある起業家たちが、このStartup Studioの運営・マネージメントをしていているところだ」と説明している**。

 日本におけるその他の代表的なStartup Studio(的組織)は、Digital Garageだろう。Digital Garageは価格.comなどのメディア事業、ベリトランスなどの決済事業、そしてデジタル・マーケティング事業と並んで、投資およびインキュベーション事業をその柱に置いている。グループ会社にCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)があるというレベルではなく、インキュベーションを主要事業として位置付けているのだ。2015年6月期について言えば、全社営業利益の7割以上をインキュベーションテクノロジーセグメントが稼ぎ出している***。また、Digital Garageでは投資先に対する支援の一貫として、人材や既存事業で培ったノウハウの供給も積極的に行っている。

Sources:
* http://buildtogether.co/startup-studio-list
** http://hiromaeda.com/?p=121
*** http://www.garage.co.jp/ja/ir/

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この記事の著者

井上 裕太(イノウエ ユウタ)

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