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番外編:利益に影響を与える重要な変数の仮説を組み立てる

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不確実性の高いビジネスにおける財務の健全性をチェックする

イノベーションの失敗はたいてい、重要な質問をしなかったことがそもそもの原因であり、答えの不正確性が原因ではない 。(クレイトン・クリステンセン)

 ビジネスモデルデザイン講座の基礎編では、ビジネスモデルキャンバス内の「顧客セグメント」と「価値提案」にズームインし、2つの間のフィットを検証するために、「顧客ジョブマップ」や「価値提案キャンバス」というツールを活用しました。一方、続編ではビジネスモデルキャンバス内の「収益の流れ」と「コスト構造」にズームインしていきます。ここでは、「仮説指向計画法」というアプローチ、その中で紹介されている「逆損益計算書(リバース財務ツリー)」を活用していきます。注1)

 一般的または慣習的な事業計画は、主に売上や収入をベースとした目標に対していかに実績を近づけるかという点に焦点を置きます。一方、仮説指向計画法では、将来のある時点において必要とされる利益をベースとし、その利益を実現するために不可欠な変数に関する仮説を立てながらテスト/検証していくものです(図1)。

 我が国では、上場企業の多くが経営計画や事業計画を公表していますが、その半数以上が未達に終わっていることが現状のようです(米国では、売上目標を主眼とする経営計画を公表している企業は稀です)。既存事業でさえこのような状況ですから、新規事業、とりわけ革新的な新規事業を模索する上で、従来の事業計画とは異なったアプローチが必要となるでしょう。

一般的な事業計画vs仮説指向型の計画図1.一般的な事業計画vs仮説指向型の計画

 ここで、仮説指向型計画の主要なプロセスをみていきましょう(図2)。

 お気づきの方も多いかと思いますが、「リーンスタートアップ」のプロセスに似ています。実際のところ、仮説の設定、仮説のテストと検証、倹約指向(リーン)、発見と学習といった多くの共通点がみられます。異なるのは、リーンスタートアップが顧客開発に焦点を当てるのに対し、仮説指向型計画法は財務上の健全性に焦点を当てていることです。以前ご紹介した進捗ボードというツールを使うことによって、各々の仮説のテスト/検証に関する進捗をプロジェクト内で可視化および共有化することができるでしょう。

仮説指向型計画のプロセス図2.仮説指向型計画のプロセス

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

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