“プロダクトの前”に「コンセプト」が際立ったことで新規事業に現れた効果
小林:
まさに「組織の中の沸々としたマグマみたいなもの」が集まってくる場になっていたのですね。「Life Space UX」というコンセプトが見えてきたことで、どんな変化がありましたか?
斉藤:
CESでプロジェクターという“プロダクトをみせる”のではなく、「Life Space UX」というある種の“考え方”とか“フィロソフィー”を表現したのは、後々とても良かったです。先ほど言ったように、技術者がとにかくたくさん技術を持ってきてくれて嬉しい半面、「この優れた技術をどう選択し、組み合わせればいいんだろう」という場面もあったんです。「社長直轄の組織」ということもあり、割と自由にやって良いという恵まれた環境だったが故に、逆にどれをピックアップして検討すればいいのか分からなくて。そのような状況で「Life Space UX」というコンセプトが明確化されたことにより、取捨選択がしやすくなりました。また、初期にはどう扱えばよいか分からなかった技術についても、「Life Space UX」と結びつけると結構面白い取り組みができそうだと気づくこともありました。