技術系スタートアップをつなぐ「サイエンスブリッジコミュニケーター」の存在
基礎研究から事業化まで、科学技術に関わる多様な分野の研究者、企業人、そして起業家を結びつけ、新しい知識を創出する場が、株式会社リバネスが主催する超異分野学会だ。リバネスは、「科学技術をわかりやすく伝える力」をコアコンピタンスに、研究者による教育、研究、創業支援など多岐にわたる事業を展開している。また、メンバーがそれぞれ自身の専門性(サイエンス)をもとに、異なるバックグラウンドをもつ異分野の専門家を橋渡し(ブリッジ)する「サイエンスブリッジコミュニケーター」として活動をしている。リバネスは創業支援の一環として、2014年に技術ベンチャー向けシードアクセラレーションプログラムTECH PLANTERを始動させた。海外アクセラレータに先立ち、リバネスのグローバルブリッジ研究所所長、武田隆太氏が同プログラムを紹介した。
TECH PLANTERは、社会の問題解決に寄与する可能性のあるディープテクノロジーのスタートアップを支援するエコシステムの構築を目的としている。ステージは問わず、起業家の情熱、ビジョンを重視し、技術ベンチャーを対象としているのが特徴。2016年には本格的な海外展開も開始し、インド、シンガポール、米国などで計147チームを扱っている(国内は105チーム)。国内で手がけるスタートアップ全体ですでに47億円を調達し、技術系スタートアップに特化したアクセラレータとして成功を収めている。
武田氏は、イノベーションに至るまでの研究者の思考回路をモデル化したQPMIサイクルを紹介した。Q(Question)→P(Passion)→M(Mission)→I (Innovation)のうち、最初の問い(Q)が最も重要で、次にその問いを解決したい情熱(P)があるか。その2つを持った上で、QとPを共有する仲間を集め、その問題解決をチームのミッション(M)とする。チームの力で、新しい価値を生み出すイノベーション(I)が生まれる。
事業のそもそもの始まりは個人の問いであり、これは人によってそれぞれ違い、それを起点に生み出される専門知識も多様である。それらの異なる専門知識が触れ合い、掛け合わされた結果が超異分野であり、そこから生まれる新たなアイデアが今、必要とされている。武田氏は「そもそも困難な異分野人材間のコミュニケーションを成立させる橋渡しが必要で、リバネスはその役割を果たせるのが強み」と話した。