21世紀の都市では“余白のデザイン”が重要になる
本村:
現在の都市やそのインフラが抱える課題はある程度見えてきました。それでは、これから都市が発展していく上で求められるものは何でしょうか。
紺野:
注目しているのは、「パブリックスペース」(公共空間)の活用です。20世紀の都市は建築家のル・コルビュジエ的な思想に基づいて設計されています。つまり、機能主義的、計画主義的なアプローチで、建築物や道路がつくられている。都市を機能的、計画的に設計した影響が大きく、あまり“余白”がないんですね。機能的につくられていた都市をつくり変えるために、都市における余白──公園や水辺、空き地、私的庭園などのパブリックスペースを活用して「都市を人間化」していく必要があるのではないか、と考えています。