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「マーケティング・リサーチの現状に関するアンケート2017」から考えるMRの未来:第3回

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今回の記事でお伝えしたいこと

  1. 「ソーシャル・メディア・分析」、「テキストマイニング」は定着
  2. 次の興味関心は「ビッグデータ分析」「行動解析」「AIやDeep Learningの活用」へ
  3. モバイルを活用した新しいMR手法の普及はこれから
  4. 新しいMR手法を利用する一番の目的は「生活者研究」のため
  5. アイディア探索には「オンライン・コミュニティ(MROC)」と「消費者参加型ワークショップ」

「ソーシャル・メディア・分析」「テキストマイニング」は定着し、次の興味関心は「ビッグデータ」「AIやDeep Learningの活用」へ

 今回は、「ソーシャル・メディア・分析」や「ビッグデータ分析」などの新しいMR手法の実施状況と今後の見通しについてお伝えします。まずは、「ソーシャル・メディア・分析」と「テキストマイニング」ですが、これらは既に実施率が過半数を超え、定着フェーズに入ったと考えてよさそうです。

 一方で、「ビッグデータ分析」の実施率は28%と8ポイントの伸びは見られたものの、周囲の盛り上がりから考えると少し意外な結果にも思えます。その理由を推測すると、今回の調査がMR担当者に対して行われたものであり、ビッグデータ分析が高度な専門スキルを要することからMR部門以外でビッグデータ分析がなされた、もしくは生産管理や販売管理などMR部門以外でのビッグデータ分析が本調査には反映されていない可能性があります。しかしながら、「ビッグデータ分析」の2年後の利用は、MR部門でも72%が増えると回答しており、今後「ビッグデータ分析」はMR領域においても活躍の場を拡げていくものと思われます。その他、2年後の見通しとして、「AIやDeep Learningの活用」(60%)、「行動解析」(57%)、「画像解析」(46%)の利用が増えるとの回答結果から、今後、MRとテクノロジーの融合が一層進んでいくことが予想されます。

 次にもうひとつの意外な結果として、スマートフォンの急速な普及にもかかわらず、「モバイル定量調査」(▲1ポイント)、「モバイル定性調査」(▲5ポイント)、「Webカメラによるインタビュー」(▲3ポイント)とモバイル系の新しいMR手法はいずれもスコアを落としています。ただしこちらも、2年後の見通しとして、「モバイル定量調査」(59%)、「モバイル定性調査」(43%)、「Webカメラによるインタビュー」(29%)の利用が増えるとの回答結果から、モバイル系の新しいMR手法は試行錯誤しつつも、いよいよこれから本格化といったところだと思われます。

新しいMR手法の実施状況と2年後の予測図15:新しいMR手法の実施状況と2年後の予測<2014年:n=175、2017年:n=108>
出典:公益社団法人 日本マーケティング協会 「マーケティング・リサーチの現状 2017年度 調査報告」
※「行動解析」、「対話型(チャット式)アンケート」、「画像解析」、「AIやDeep Learningの活用」は、今回からの新設項目のため2014年のデータはありません。

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この記事の著者

山崎 晴生(ヤマザキ ハルオ)

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