製造業が「ものづくり競争」から「サービス・体験競争」へと進化する4つのマインドセット
大地氏は、ユーザー視点での統合的な課題の解決およびサービス・商品開発において、コンサルティングと実証・実行支援を行う際に、次の4つを意識して進めているという。
- 視点の転換:モノづくり発想からユーザー視点によるサービスづくり発想への転換
- 断片ではなく統合で考える:実際に利用される場面を想像し、統合的なサービスを検討する
- 時間軸を伸ばす:現状のみならず、将来のライフスタイルや課題・機会をとらえる
- ブランドの「ありたき姿」の追求:同業他社や周辺業界プレイヤーではなく、自社がやる意味を研ぎ澄ます
これまで製品やサービスの開発は、技術・機能の積み上げによってなされてきた側面が多い。しかし、これからはサービス・ブランドの「ありたき姿」から考え、早急に価値を創造することが求められる。IoTがそのきっかけであり、「ありたき姿」を実現するための強力な推進力になることは間違いない。
実際、大企業を中心とする350社の経営層・事業責任者がどう感じているのか、電通デジタルによるアンケート調査結果によると「デジタルトランスフォーメーションを導入してやりたいこと」として、1位のITプロセスに続いて、マーケティング、カスタマーサービス、営業と続いているという。
大地氏はこのアンケートから読み取れる傾向を「プロセスやオペレーション、メンテナンスの効率化から、製造プロセスの革新を経て、新しい顧客価値の創出として『お客様の体験をどのように創造していくか』という課題に関心が移りつつある。少なくとも重視しつつある」と解説する。