脳科学などの科学的な根拠を持つ「正しい心の在り方」、マインドフルネスとは?
日本の労働環境は世界水準に照らし合わせてもかなり過酷だ。多くの現代人が、仕事や人間関係に疲弊して、幸せを感じられなくなっている。閉塞感あふれる現状を打破するためには、制度や法律の整備といったマクロレベルの対策が必要だが、私たち個人がミクロレベルで取り組めることはないのだろうか。
そのひとつの答えとして荻野淳也氏が提示するのが「マインドフルネス」だ。荻野氏が代表理事を務めるマインドフルリーダーシップインスティテュートでは「マインドフルネス」と脳科学を組み合わせ、人材教育のメソッドを提供している。荻野氏は「『マインドフルネス』が一人ひとりの幸福感を醸成し、ひいてはよりよい世界をつくることにつながっていく」と語る。
ここで一度「マインドフルネス」の定義について確認しておこう。マインドフルリーダーシップインスティテュートの公式サイトによると「マインドフルネスとは、今をありのままにしっかりと認識するという心の在り方」だという。
その起源は仏教で説かれた「正しい心の在り方」にあるが、近年の神経科学の発展により「マインドフルネス」が集中力や認識力を高め、心身の健康につながるという科学的な根拠が得られるようになり、注目を集めている。ビジネスシーンへの活用も進んでおり、実際にGoogleやYahooなどの世界有数のグローバル企業が「マインドフルネス」を人材教育に取り入れているのだ。