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LIFULL、サイバーエージェント、三井不動産の責任者が語る「人と組織とアライアンス」

「LivingTech カンファレンス2017」レポート02

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 LIFULL本社(東京都千代田区)にて、9月20日に行われたLiving Techカンファレンス。その中の一つのセッション「事業開発のための組織・人材開発~いかに社内の壁を乗り越えるか~」では、リノべるの山下智弘氏がモデレーターを務め、LIFULLの羽田幸広氏、三井不動産の光村圭一郎氏、サイバーエージェントの曽山哲人氏の3氏が登壇した。個人、組織、アライアンスの3つをキーワードに多岐にわたる議論が展開された。

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オープンイノベーション、新規事業で重要な「アライアンス」のポイント

 大企業とベンチャーが協業するオープンイノベーションなどに代表される、異業種の企業が互いの利益のために協力・提携する「アライアンス」。大企業、ベンチャーそれぞれにどんな着眼点や工夫があるのだろうか。新規事業を子会社として成立させる場合や、ベンチャーとの共創などにおけるポイントを、各人の発言から拾っていきたい。

■三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部 主事 31VENTURESアクセラレータ 光村 圭一郎 氏

光村 圭一郎

 「そもそも『アライアンス』の定義と目的の整理から始めるべき」と主張するのは光村氏。彼が考える定義は複数ある。

1:大手企業として一番やりたいのは、大手企業が苦手な「ゼロから市場を生むこと」や「新しいニーズを開拓すること」。大手企業が出来ないことを、スタートアップならばできる。だから組むという「アライアンス」。

2:大手企業がやっている日々の業務の中の大きな「不便」や「不都合」。それを改善するため、新しいテクノロジーを導入したいという「アライアンス」。

3:すでに対象としている市場のニーズが変容していく。コア層に対しては対処ができていても、その周辺ニーズを満たしきれていない場合がある。一緒に組んでパッケージで提供し、もっと大きな売り上げを上げるための「アライアンス」。

 このようにアライアンスの定義を定めることで、何が足りなくて何を欲しているのかという評価軸が明確になるのだ。「大手の“昭和的な企業”では、難しい面は多々ある」としながらも、「いろんな企業と話をしながら最終的には新規事業やイノベーションにつながるような事業共創を意識している」と話す。

■株式会社LIFULL 執行役員人事本部長 羽田 幸広 氏

羽田 幸広

 「やりたいことを実現できる会社でありたいし、挑戦する・言い訳しない会社を作ろうという企業文化がある」というLIFULL。年間130件〜150件新規事業の提案が社員からあるといい、そのうち年間数件を事業化している。

 起案者を社長にして、100%の子会社を作る。「法人登記なども全部やらせて、バックオフィスは手伝わない。そうすると、社員の雇用やコストカットするなどに意識が行き、持っている潜在能力が開花する。その意味では一定の成果は出ている」と羽田氏は話す。

 その新規事業の成功要因として羽田があげたのが「社長の個性」。「狙った市場が良かったこともあるが、(成功した要因は)社長。ビジョンを描けること、足元でしっかり結果を出せる勝利への執念があること。この両方を持つ人だ」と語る。

■株式会社サイバーエージェント 取締役 人事管轄 曽山 哲人 氏

曽山 哲人

 「2003年ぐらいから新規事業コンペをやっている。年間1000件ぐらい出てきて、提案者に社長を任せていたのだけれど、10年間で全部失敗した。それが僕らのリアリティだった」と明かすのは曽山氏。

 長年の経験から生まれたサイバーエージェント流の新規事業の成功パターンがある。

  • 役員と起案者が一緒になり、人選も必ずしも起案者ではない形でやること

 そして、何より手厚いのはサポート体制だ。

  • サイバーエージェントの取締役のうちの1人が子会社に入る。しかし、決断は絶対社長がする
  • 人事、経理、法務に関して本社のサポートチームを作る。ただし、決済は自分たちでやる
  • 子会社同士の交流ミーティングでトピックスを共有する。横のつながりで、情報共有をする

 そのサポート体制の成果もあって、新会社は昨年15社。10年間で数百億規模の子会社もできているという。曽山氏は「ベンチャーだと、大事なポイントはどこかというのを最初に見えていると、ピボットが早い。我々は撤退ラインやピポットラインを気にする。共通言語が数字であるのは大事だ」と話した。

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