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Startup Studioによる事業開発

今あえて「日本のイノベーションを牽引するのは“大企業”である」と断言する理由

Startup Studioによる事業開発:第4回

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スタートアップやVCの手法が大企業へ逆流する「イノベーション4.0」時代

STARTUP STUDIO』▲先日発売された弊社監修書籍『STARTUP STUDIO 連続してイノベーションを生む「ハリウッド型」プロ集団』

 前回前々回と、起業エコシステムの中でスタートアップスタジオが担う役割について紹介しましたが、欧米では急速に存在感を増しているスタートアップスタジオも、日本ではまだまだ知名度は高くありません。しかし、自らを「スタートアップスタジオ」と定義しているか否かの違いはありますが、ここ日本でも、ミスルトウ(Mistletoe)やデジタルガレージ(Digital Garage)、ビーノス(BEENOS)など、イノベーションシーンをけん引するスタートアップスタジオ(的な会社・組織)の活躍が昨今、目立ち始めたのも事実だと思います。「未来のビジネスを起動させよう」。これは、私がCEOを務めるスタートアップスタジオ「クオンタム(QUANTUM)」のビジョンです。先日発売された弊社監修書籍『STARTUP STUDIO-連続してイノベーションを生む「ハリウッド型」プロ集団』で紹介されている欧米のスタートアップスタジオの先駆者たちと同じく、「同時多発的に複数の企業を立ち上げる組織」と自らを定義しています。

 2017年時点、日本もオープンイノベーションやアクセラレーターがちょっとしたブームになっています。このこと自体は悪いことではないのですが、自前主義にこだわらないオープンイノベーションという仕組みも、大企業とスタートアップが共創してWin‐Winの関係構築を目指すアクセラレーターという仕掛けも、事業創造というゴールに向けた幾多ある選択肢の一つであるということを忘れてはならないと思います。今の日本に必要なのは、イノベーションをバズワードやブームで終わらせない具体的な成果の創出。つまり、世の中を豊かに、生活を便利で楽しくしてくれる新しい製品、サービス、事業を連続的に立ち上げることだと私は考えています。

 日本でイノベーションが起こらない元凶は、過去の成功体験にとらわれ、既存のビジネスを守ることに執着し、がんじがらめの社内ルールにしばられて新たな挑戦に消極的な大企業にあるという声をよく耳にします。確かに、活躍が目立つスタートアップに比べると、大企業発のイノベーションの話題は多くはないかもしれません。

 グローバルでは、イノベーションの創出に関する状況は着々と変化しています。あえてイノベーションの歴史を区分すると、個人の発明家が活躍した第1期、大手企業の基礎研究所が中心だった第2期を経て、ベンチャーキャピタリスト(VC)の支援を受けたスタートアップが登場したのが第3期となります。そして現在は、イノベーションの担い手であるスタートアップやVCのやり方が大企業に逆流する第4期を迎えています。

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敢えて言う、日本の「イノベーション」を牽引するのは大企業だ

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この記事の著者

高松 充(タカマツ ミツル)

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