社会の問題と自分の興味を掛け合わせたソーシャルビジネス
3人目のパネリストのエドモンド・フェナンデス氏はインド・ベンガルール在住の医師であり、公衆衛生向上と災害マネジメントの専門家でもある。患者がもっと早くに気づいて入れば治せる病気で毎日のように亡くなっていることに対して疑問を感じ、公衆衛生に興味を持ったと話す。インドでは1947年の独立以来、GDPの1%しか医療に回せていない。しかし、医療費をかけている(OECD加盟国でGDP比8.1%平均)先進国を見ても*1、医療費をかけることが最善策だとは思えない。その現状を受け、CHDグループという、政府、大学等研究機関、公共セクター、市民組織、宗教組織とパートナーシップを結んで公衆衛生を守り、健康を維持するための組織を創設した。現在、ヘルスケア業界にソーシャル・イノベーションを起こすために奔走中だという。フェナンデス氏は「若い社会起業家たちは若さゆえに失敗をするかもしれない。横のつながりを作り、問題や解決策を共有していくことが大事だ」と強調した。
*1: Health at a Glance 2007