ビジネスの不調の多くは“自損事故”。解消のためにパーセプションフローを活用する
「パーセプションフローをうまく使うことができれば、マーケティングプランの作成にこれまで半年かけていたとしても2週間に短縮できます。また、ビジネスの不調の多くは、他社が快進撃を続けているからという理由よりも、ビジネスパートナーとの認識齟齬などが生まれて“自損事故”を起こしていることに起因します。加えて、きちんと認識が共有できていないと、関係者のパワーバランスによって方針があらぬ方向にいったり、不毛な議論が続いたりします。パーセプションフローをうまく活用していってください」と音部氏は講座を締めくくる。
講座参加者はどのような感想を持ったのだろうか。
部署でブランド管理やブランドの捉え方を見直そうという動きが出てきているため、今回の講座に参加したと話す花王株式会社マーケティング開発室の木幡亜紗子さんに感想を聞いた。木幡さんは、特に講座前半で詳しく説明があったブランドの定義やその他のマーケティングに必要な諸要素の確認が、いわゆる教科書的な書き方ではなく、現代に則した、生きた定義だったのが非常に良かったと話す。
「花王株式会社からは今日の講座には3名が参加させていただきました。一人は私と同じ部署から参加しているので同じ目的です。もう一人はどちらかというと広告に近い部門からの参加で、後半のパーセプションフロー・モデルを参考にしたいと話していました。今回学んだことを社内に持ち帰り、一連の流れを把握した上でブランドの定義や、パーセプションフロー・モデルの活用を各部門が連携して検討していきたいと思っています」と木幡さん。
株式会社デジタルガレージからも3名の参加があった。そのなかで広告代理店事業を行なっているマーケティングテクノロジーカンパニー コミュニケーションストラテジー部の黒田亮二さんは、パーセプションフロー・モデルという概念は知っていたが、提案の質を上げるために一度しっかり学び、実体験をしてみたかったと参加の動機を話した上で、こう感想を教えてくれた。
「本当は全部録音したいくらいの密度の濃い講義内容でしたから、これを一つ一つ実務の中で取り入れてみて、社内に共有したいですね。今までにも数多くのマーケティングプランを提案、担当していますが、今回の講座の内容は体系的でわかりやすく、クライアントさんにも伝えやすいと感じています。また、クライアントさんが考えているブランドの管理に対して一部的に提案する場合でも、パーセプションフローの発想を取り入れて体系的に提案していくことができそうだ、と思います」と黒田さん。