Blabo!坂田直樹氏に聞く、“棚落ち”しない商品開発──消費者の課題を解決し新市場を創造するには?

【対談ゲスト】株式会社Blabo 代表取締役CEO 坂田 直樹氏:前編

 「マーケティング部門のみがマーケティングを行うのか」、そして「事業開発部門のみが事業開発を担うのか」。両者に共通する課題と活動から、FICC代表取締役の荻野英希氏とともに市場創造について考えていく本連載。今回は、商品開発の要となる「生活者インサイト」にフォーカスする。
 対談のゲストは、株式会社Blabo 代表取締役CEO坂田直樹氏。坂田氏は、2011年に一般消費者による参加型オンラインコミュニティBlabo!の運営をスタート。これまでにキリンビールや日本コカ・コーラ、ローソンをはじめとした大手企業から経済産業省や鳥取県・神奈川県と多くのクライアントの商品開発に携わり、リリースした商品は150点を数えている。2017年には日本経済新聞社の「NEXTユニコーン108社」にも選ばれた。なぜBlabo!はヒット商品の開発を得意とするのか。事例をもとに、生活者のインサイトを発見する上位概念を探っていく。

[公開日]

[語り手] 坂田 直樹 荻野 英希 [取材・構成] マチコマキ [写] 長谷川 梓 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] マーケティング インサイト 事業開発 ジョブ理論 重なり思考

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ユニリーバのマーケター時代に感じた、生活者のインサイトに近づけないジレンマ

荻野英希氏(FICC代表取締役・以下、敬称略):オンライン上のコミュニティで、企業発の質問に対し生活者からアイデアを集め商品開発へつなげるプラットフォームがBlabo!です。まずは、坂田さんがBlabo!のサービスを立ち上げた理由から聞きましょうか。

坂田直樹氏(Blabo代表取締役CEO・以下、敬称略):僕はもともと、ユニリーバ・ジャパンで商品開発のマーケターをしていました。外資系企業のためか商品のローカライズも多く、なかなか日本のユーザーインサイトに合わせた開発ができないというジレンマがあったんですね。そのうち、生活者の本音を発見し、その方たちのために製品を開発したい、生活者と直接会話をしたいと考えるようになったんです。

荻野:「直接」というのがポイントですよね。ユニリーバのときも、グループインタビューや調査を通してニーズの分析やヒアリングをされていたはずですが、その方法ではインサイトが発見できなかった?

坂田:もちろん気づきはありましたが、グループインタビューなどでは想定内の発言が多く、なかなか深い本音を発見するのは難しかったですね。商品開発者・マーケターとして考えたときに、生活者の本音をズレなく知りたい、だから直接つながりたいというのは必然でした。その方法を考えるヒントになったのが、Twitterです。ちょうどBlabo!の構想を考えていたころにTwitterが登場し、自分の考えを世の中へ発信するという風潮ができつつありました。

そこで「考えるテーマがあれば、いい発想ができる」という日本人らしさに着目し、「企業の課題について、生活者が思わず答えたくなるような問いを投げかける」という企画会議の場を作ったら、おもしろがるんじゃないか、と仮説を立てたんです。

坂田直樹坂田 直樹氏(株式会社Blabo 代表取締役 CEO)
ユニリーバ・ジャパンのマーケティング部門にてブランド戦略立案、新商品開発に従事。 2011年に株式会社Blaboを創業。生活者インサイトを発見する日本最大の共創プラットフォームBlabo!を運営。 Blabo!では2万3千人を超える生活者がプランナーとして活躍しており、コカ・コーラやキリンビール、森永乳業、ハウス食品、ローソンなどのメーカーや小売りが延べ200社以上採用している。2015年度グッドデザイン賞など受賞歴多数。「クローズアップ現代」(NHK)、「ニュースJAPAN」(フジテレビ)などメディア出演も多い。東洋経済オンラインでの連載『ズレない思考で、ヒットを作れ』や著書に『問題解決ドリル―――世界一シンプルな思考トレーニング』(ダイヤモンド社)などがある

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