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「インサイトフルな組織」とは?

イノベーションにつながるアイデアを導く「インサイトフルな組織」とは──“だいたい良いんじゃないですか”時代に

第1回

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 この連載では、ビジネスにおいて欠かすことのできない「インサイト」の考え方と、それをビジネスプロセスに活用すべき理由、組織としてインサイトをどのように活かしていくための方法論について述べていきたい。  今回は、「デザインシンキング」や「JOB理論」を実務に活かすには、補うべき要素があるという筆者の意見を述べつつ、その鍵となるインサイトの基本的な考え方、インサイトに関する誤解、インサイトフルな組織への道筋を解説する。

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“だいたい、良いんじゃないですか”時代に、インサイトはその閉塞感を打開する武器になる

 まず、インサイトがなぜビジネスにおいて重要なのかを理解するために、現代の社会について考えてみる。現代は“だいたい、良いんじゃないですか時代”であると、私たちは考える。

 あるカテゴリーに含まれる商品を消費者が見るとき、どの商品も「だいたい良いんじゃない」という感想を抱く。その一方で、いずれかの商品に「絶対これが欲しい」と感じることもない。市場に多くのアイテムが行き渡り、品質はどの商品も遜色ないレベルまで向上した。しかし、ほとんどの商品カテゴリーにおいて、市場の成熟化やコモディティ化という言葉でも説明される状況が進んでいるのである。

 対比するために“だいたい、良いんじゃないですか時代”の前はどのような時代だったかを振り返ると、“だいたい、良くない時代”と呼ぶことができる。消費者にとって解決されていない問題がまだ数多く存在しており、問題を解決するための商品を市場に供給さえすればよかった。

 多数存在した「まだ解決されていない問題」は、「ニーズ」という言葉に置き換えることができる。ニーズに応える商品を供給すれば市場に受け容れられた。そのようなニーズは消費者自身が明確に認識できているため、消費者に対してリサーチを行うまでもなく企業側も簡単に理解することができた。そして、そのニーズに応える商品を開発し、できるだけ安く、適切な流通に乗せ、広告と販促に費用を投下してマスマーケティングを展開すれば一定の成果が得られた。

 しかし、そのようなニーズの多くはどんどん解決されていった。そうして“だいたい、良くない時代”は終わり、“だいたい、良いんじゃないですか時代”が訪れた。このような状況下で、積極的に「欲しい」と思わせる商品を生み出していくためには、顕在化しているニーズではなく、「表に出ることなく隠れているインサイト」を充たすことが必要になるのである。

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この記事の著者

大松 孝弘(オオマツ タカヒロ)

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