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INNOSIGHT流イノベーションの興し方

Future Backプロセスで破壊的イノベーションを越える

第3回

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イノベーション体質に必要な4要素

 では、破壊的イノベーション理論を用いると、どのようにしてイノベーティブな企業へと体質を変えていけるのでしょうか。

イノベーション体質に必要な4要素▲図表3 イノベーション体質に必要な4要素

 Innosightでは4つの要素をイノベーション戦略に不可欠なものとして位置づけています。

  1. 成長のブループリント
    全社戦略に紐づいた企業の成長戦略や未来像、成長させたいカテゴリーとポートフォリオ、目標、事業のガイドラインとリミット
  2. ガバナンスとコントロール
    全社のイノベーションを俯瞰して見渡すための仕組みであるアイデアマネジメントシステムやポートフォリオ管理システム、継続的な最適化など
  3. 事業の創造システム
    新規事業固有の開発プロセスや組織
  4. リーダーシップ・人材・風土
    リーダーのあり方、役割分担、イノベーターDNA、人材育成、インセンティブや人材管理

 この4つの要素は、全社戦略の一環として決められなければいけません。なぜなら、前述した5つの原則で述べたように、新規事業への投資は既存事業へと回されやすい性質を持っているためです。さらに、新規事業の開発プロセスは、既存事業の新製品開発と全く異なったものになります。これらの違いを明確に決めて、組織のものへと定着させていくには全社戦略にイノベーション戦略を組み入れるしかありません。

 P&GはInnosight社と共同して、全社がGrowth Factory (成長工場)であるためのさまざまな取り組みを行っています。一例として、コネクト&デベロップというオープンイノベーションの取り組みは有名になりましたが、それだけでなく、イノベーションの種類を4つのグループに分け、それぞれに定量的な目標を設定しています。加えて、INDEEで「高速仮説検証®」と呼んでいるような試行錯誤を前提とした開発プロセスを導入し、新しい商品が迅速に市場を創りつつ、市場に受け入られるようにしています。文字通り工場ラインのようにイノベーションが生まれるよう、4つの要素を強化してきました。

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大企業が破壊的イノベーションに打ち克つ方法

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この記事の著者

津田 真吾(ツダ シンゴ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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