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地域文化と経済のあいだ

ローカル企業の未来をチームでつくる――東京×地方の新たなコラボレーションを実験する「Project 180」【前編】

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「新たなマーケットを探りたい」と口を揃える、参加企業の次代のリーダーが抱える課題とは

タイトル

 Project 180に参加するある次世代リーダーの声の紹介から始めよう。

「弊社はこれまで、時代に合わせて新規事業を開拓してきたと自負しています。めっきという分野で新しいことに取り組み、今は九州の半導体産業が大きなお客様です。

今回スクールに参加したのは、これまで培ってきた技術や強みを他の分野に活かす可能性を考えたいと思ったから。例えば、建築や医療などの分野に弊社の技術を使ってもらえる可能性があるのではないかと。

しかし、今の自社のリソースでは、マーケットをリサーチする力が足りません。特に、既存顧客ではないお客様にむけた新規事業をつくるにあたって必要な準備やリサーチについて学びたい、何かヒントが得られるのではないかと思い参加しました 」

 そう語るのは、金森元気さん。熊本で機能性の高いめっき加工やMEMS部品などの微細加工を手がける、株式会社オジックテクノロジーズの技術本部部長だ。同社は金森さんの祖父が創業。今年70周年を迎えた会社をいずれは自身が引き継ぎ、今後20年30年と持続させるために、何をしなければいけないのかが問われているのだ。

 オジックテクノロジーズの強みは、めっきを中心とした表面加工という特定分野における高い競争力。半導体産業を中心に、高性能かつ高品質のめっき加工を大量に行っている。めっきは、様々な機器や部品に活用されている先端技術のひとつである。

 このような企業にとって、サプライチェーン(部品供給の連鎖)のなかで部品を量産するだけでなく、自らのニッチ技術を活かした市場を開拓していくことはとても重要だ。オジックテクノロジーズもこれまで培ってきた化学の知識と技術を活かしたバイオ分野へ進出する(九州の一部に生息する「スイゼンジノリ」からヒアルロン酸の約5倍の保水力を有する天然高分子「(サクラン)」を抽出)など、すでに新たな市場へ向けた商品開発や生産を手がけはじめている。

 参加企業のひとつ、熊本県菊池市で半導体設計装置や自動装置の製造を手がける株式会社サンワハイテックの専務取締役・山下義隆さんも参加動機をこう語る。

「持続可能な経営というのを見つめたときに、 10年20年30年と継続させていくことが目標ですが、そのときに自分たちは何をしているのか、どんなことをしながら事業を継続していくのか。そのためのヒントなり刺激をここでキャッチしたい」

 新たなマーケットを探りたい。それは、今回のプログラムに参加する8企業の多くに共通する課題でもある。既存事業については、時代の変化に対応しながら、工夫を重ねて商品やサービスを提供してきた。熊本という地域に根ざし、構想から製品化、メンテナンスまで一貫したビジネスを展開している企業も多い。しかし、どの次世代リーダーも、グローバル化やデジタル化が加速する激動の時代のなかで、今後も会社を継続させていくために、常に新たな可能性を探り、お客様に貢献する事業をつくりだす必要性があると考えているのだ。

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