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「スケール・ディーパー」とは何か

なぜ課題だらけの「小売・サービス業」の変革に挑むのか?ナレッジ・マーチャントワークス染谷さんに聞く

ゲスト:ナレッジ・マーチャントワークス 染谷 剛史さん【前編】

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小売・サービス業界をスケール・ディープする起業家はどのようにして生まれたか?

栗岡大介さん(以下、敬称略):染谷さんに最初にお会いしたのは、2016年の暮れ頃でした。当時は、リンクアンドモチベーションという組織人事コンサルティングを行う企業で執行役員としてご活躍されていましたね。

染谷剛史さん(以下、敬称略):はい、当時は起業の準備の真っ最中で、栗岡さんのボスである藤野英人さん(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長)から色々とアドバイスをいただいていたところでした。

栗岡:その時、すごく印象的だったのが、「なんて楽しそうな方なんだろう」っていうことでした。起業をすぐ先に控えて、まだ経済的にメドが立っているわけでもなく、しかもお子さまが生まれる直前というタイミングで大変な時だったと思いますが、とにかく明るく嬉しそうに夢を語っていらっしゃいました。

染谷:えー、そんな感じだったかな?(笑)

栗岡:起業をされた小売・サービス業という業界は、少子高齢化や人手不足で、人材の供給・消費者の需要の両サイドにおいて課題が増えています。でも、染谷さんは課題を好機と捉えてこの業界でチャレンジをされてらっしゃいます。悲観的な見方が業界に広がる中で、染谷さんならこの業界に変革を起こせるんじゃないか、と未来を感じたんです。以来、僕にとっては、良き相談相手、頼れる兄貴のような存在になっています。

染谷:こちらこそ、いつも栗岡さんからは新しい視点をもらっています。感覚的に捉えていたことを言葉にしてくれるよね。今回の「スケール・ディープ」という考え方も面白いな、と思いました。

栗岡:私は勝手に、染谷さんは「小売・サービス業界のスケール・ディーパー」だと思っています(笑)。この業界は残念ながら人が集まりにくく人材採用・育成が難しいなど課題が多い業界ですよね。今回の対談では、まず染谷さんがどうして小売・サービス業界で起業し、この業界を“深く掘る”ことになったのか、キャリアの変遷をお聞きしながら探っていきたいと思います。

染谷 剛史染谷 剛史さん(ナレッジ・マーチャントワークス代表取締役社長)
1976年生まれ。1998年にリクルート・フロムエー入社。アルバイト求人情報誌「フロムエー」の企画を担当する。ディジットブレーンを経て、2003年リンクアンドモチベーション入社。12年には同社のサービス産業の組織変革を担う執行役員カンパニー長に就任。2017年にナレッジ・マーチャントワークスを創業し、代表取締役に就任。外食、小売りをはじめとする多店舗展開サービス産業に向けた店長・従業員・アルバイト向けの働き方・生産性改革プラットフォーム「はたLuck®」やHRコンサルティングを提供。人とテクノロジーで店舗サービスの変革を目指している。

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