新規事業のアイデア・プラン創出を成功させるアプローチ──事業開発の現場で頻出する「3つの課題」とは?

第2回

[公開日]

[著] 北嶋 貴朗

[タグ] 事業開発 新規事業

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市場や顧客課題を起点にする──事業アイデアやプランが無い場合の解決アプローチ(1)

 前ページの表にも記載した通り、「事業アイデアやプランが無い・出てこない」という課題の要因を分類すると、「アイデアやプランが社内に存在しないケース」と、「存在しているが上手く発見・活用できていないケース」に大別されます。前者においては、市場や顧客課題もしくは優位性のある社内の技術シーズやアセットを起点にしてアイデアやプランを構想していくことが必要になります。また後者においては、既に社内に存在するアイデアやプランを上手く発見・活用するための仕組みや制度を整えることが重要です。

 まずは、市場や顧客課題を起点にアイデアやプランを構想するアプローチについてご紹介します。

 デザイン思考を始めとして、顧客への共感や課題理解を起点としたアプローチについては様々な方法論がありますが、今回は新規事業開発の現場で利用されることが多い「リーンキャンバス」を活用して解説していきます。リーンキャンバス自体はすでに一般的な認知度も高まってきていますが、その活用方法や手順については不十分である企業が多いのが実情です。

市場や顧客課題を起点にする場合のリーンキャンバスの活用方法市場や顧客課題を起点にする場合のリーンキャンバスの活用方法

 リーンキャンバスは9つの項目をすべて埋めることで事業プランやビジネスモデル設計が固まるフレームですが、市場や顧客の課題を起点する場合は上記の表の通りの手順で検討を進めていきます。

 一般的に、解決すべき市場や社会の課題/ニーズを起点にして、その課題を最も強く感じている顧客が誰かを検討するケースがあります。また、最初に喜ばせたり助けたい顧客が誰かを設定した上で、その顧客がどんな課題を抱えているかを検討するケースもあります。どちらの場合も(1)(2)の「誰の、どんな課題を解決するのか?」が着想の原点として最優先であり、その上でその課題を解決するための解決策を検討していきます。

 検討初期段階の事業アイデアとしては(1)(2)(3)(4)が明確になっていれば十分です。しかし、このアイデアを軸にした事業プランの精度を高めていくためには、継続的に顧客へのインタビューや行動観察などを通じて仮説検証を行い、検証結果を踏まえたブラッシュアップや、より強い課題/ニーズの発見を繰り返していく必要があります。実際に多くの企業の新規事業開発の現場でこのアプローチが採用され、成功事例が出てきています。

 ただし、このアプローチで検討した事業アイデアは、解決のためのソリューションでの事業拡大が社内の技術やリソース上不可能であることが次のフェーズ以降で判明し、方向転換を迫られることもありますので、気をつけましょう。

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