「経済複雑性指標」が可能にする経済的成長の予測──Sansanが名刺交換で表現する“「知識」の移動”
経済複雑性指標はGDPのような単なる経済の尺度であるだけではない。これを見ることによって、10年後、20年後といった将来の経済成長が予測できるとヒダルゴ氏は主張する。
たとえば、日本の経済複雑性は1970年代にはすでに高い水準にあった。けれどそれに対してGDPは低かった。教育レベルやガバナンス、競争力で将来を占うよりも、経済複雑性指標とそれに対するGDPを比較して乖離があるかどうかで考えた方が、経済成長を正確に予測できるというのだ。前述のチリの輸出品目の変遷を考えてもわかるように、発展はすでにある「知識」を活用して行われるためだ。