株式会社良品計画は、日本初となる無印良品のホテル「MUJI HOTEL GINZA」(以下MUJIホテル銀座)を4月4日(木)に開業する。企画、内装設計、運営はUDS株式会社がおこなう。
オープンに先がけ行なわれた内覧会のプレス会見で、良品計画の松﨑社長は、「ホテル経営は無印良品がスタートした1980年からの夢」と語った。深セン、北京につぎ世界3店舗めとなるMUJIホテル銀座は、無印良品の最大の旗艦店となる銀座店と共に銀座の並木通りのビルに入る。
コンセプトは「アンチゴージャス、アンチチープ」──「普通の感じ良さ」を大事にし、旅先であってもいつもの生活の延長の感覚で過ごせる空間と、宿泊客と土地をつなげるサービスを追求するというもの。6階にフロントを設置、7~10階で79部屋の客室を提供する。
フロントには複合的な文化発信スペース「ATELIER MUJI GINZA」を設置。さらにギャラリーや、デザイン・アート関連の書籍を揃えたライブラリーも完備している。
運営するUDSは、元々は設計・デザインからスタートした会社だが、今ではホテルや商業施設を企画から運営、経営までをおこなう。UDSの梶原会長は「無印良品の思想を体現するホテルをめざした」と語る。
たとえば、樹齢600年のクスノキを使ったバーカウンター、100年前の銀座の路面電車で使われていた敷石を共用部に飾り、古い船の鉄板を飾るなど「時代の記憶を残しながら新しいものを作る」(梶原会長)。また客室の備品は階下の無印良品 銀座で購入でき、照明やエアコン、壁掛けBluetoothスピーカー、などの機器類は設置されているタブレットからコントロールできる。
良品計画とUDSの交流は、良品計画の金井会長がUDSの手がけたコーポラティブハウスを見学したことをきっかけに20年ぐらい前から始まったという。
UDSはこれまで「CLASKA」、「ホテル カンラ」「アンテルーム京都」などのホテルをはじめ、様々な商業施設や地域プロデュースをおこなってきた。そのノウハウや価値づくりの方法論は『プロジェクト・デザイン・パターン』や『おもてなしデザイン・パターン』(いずれも井庭崇氏と共著・翔泳社)としてまとめられ、公開されている。
今回のMUJIホテル銀座での協業は、UDSとしてもこれまで以上のビッグプロジェクトといえる。「銀座に来る人々、生活者、働く人に居心地の良い空間を提供すること」を目的としたMUJIホテル銀座が、銀座の街にどのような変化を与えるかが注目される。
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