提案から事業化の確率は7%。アイデアを事業にするための工夫
新規事業を行おうとする企業は多い。しかし、「若手が自分でブレーキをかけてアイデアを出してくれない」「『こんなことを提案しても大丈夫だろうか』と萎縮しているようだ」と悩みを抱える企業もまた、多い。日立ハイテクノロジーズはそれに対して、イノベーションチャレンジプログラムという公募制度を作っている。応募のタイミングは年2回あるが、強い希望があればその期間外でも受け付けている。また、イノベーター講演会、ビジネスモデルキャンパスの学習などといった、公募につながる下地作りも丁寧に行う。
提案の選定はイノベーション推進本部だけでなく、他の本部長も参加する。また、外部の新規事業創生を支援するアクセラレーター企業やコンサルティング企業などからも参加を募る。しかし、最初の提案の段階では「箸にも棒にもかからない」レベルのものが多い。その中でも既存事業とは異なる事業の芽になりそうな提案を選んで、調査費用等のための予算をつけ、イノベーション推進本部のメンバーが入ってメンタリングしながら、提案者とともにアイデアを研ぎ澄ましていくという。その過程では、目的変更・方法転向もありうる。年間数十件の提案があり、7件程度に絞ってフィジビリティスタディを行う。イノベーション推進本部のKPIはこのフィジビリティスタディを行うテーマの数としている。