過去から未来を予測する力、予測できない未来に対応する力
──バブソン大学でのメソッドをうかがっていると、いい意味で「場当たり的」にも見えます。とはいえ、調査から社会的課題を見出し、事業計画をたてて実践する…という従来の事業計画的な手法は無用なのでしょうか。
山川:おそらく賢く経験豊富な人ほど今は混乱する時期にあると思いますよ。なぜなら、賢い人ほどこれまで教わってきた考え方や経験から未来を予測し、備える能力が高いからです。その予測に基づく推論の的中率が下がってきたのは、その人の能力が下がったからではありません。これまでは未来は過去とさほど変わらないという前提だった時代から、世の中の不確実性が強まってきたからにほかならないのです。