「ゲーム・チェンジ」の時代だからこそ重要な“自分なりの勝ち方”
内田氏は、様々なイノベーションの起点となる事象を紹介しながらも、「真のイノベーションは、複合的・連鎖的に生じる」とし、「技術革新以上に構造変化や心理的変化の影響が大きい」と語る。たとえば、技術的には簡便に構築することができたため、カーシェアリングはもっと早期に普及できたかもしれない。しかし、近年ようやく普及してきた背景には、若年層における車への憧れの低下や、所有よりも利用を重視するといった価値観の変化があったのだという。
社会の変化で駐禁が厳しくなり、飲酒運転も厳しくなったことで、若者のデートの際に車は無用の長物となる。車はステイタスではなく、たとえば大きな買い物をする、郊外に遊びに行くといった目的利用のための道具になっており、所有するよりも利用することに価値を見出している。そうした複合的な変化にともない、カーシェアリングはますます普及していくことが予想される。