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カスタマーサクセスの実践知

1社の成功がカスタマーサクセスの第一歩──自社と顧客の利益を拡大させるCSの“3つの役割”とは?

第1回

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 2018年6月に『カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』が発売されて以降、日本でもカスタマーサクセスが注目されています。いまでは、SaaS企業を中心に、多くの企業がカスタマーサクセス部門を置くようになっています。また、モノ売りからコト売りとビジネスが変わっていく潮流もあり、カスタマーサクセスを取り入れる企業、検討する企業はさらに増えています。  「カスタマーサクセスとは何か」は知られるようになりましたが、企業にカスタマーサクセス部門を据えるにはどうすればいいのかまで語られることは少ないように感じます。本連載では、実際にカスタマーサクセス部門で経験してきた「実践知」をお届けします。

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カスタマーサクセスとは、自社と顧客のWin-Winを成り立たせること

 私は、営業に特化したWeb会議システム「bellFace」を提供しているベルフェイス株式会社のカスタマーサクセスマーケティングチームに所属しています。この部署では、1:1のコンサル型カスタマーサクセスではなく、Webコンテンツの提供やイベント・コミュニティ運営など、1:Nで広域型の顧客支援に取り組んでいます。

 bellFaceはサブスクリプション方式のSaaSで、顧客に継続してサービスを利用し続けて頂くことが極めて重要です。サブスクリプション方式のビジネスと、顧客の成功を実現するために伴走する“カスタマーサクセス”という概念は相性が良く、社内では職種問わず「カスタマーサクセスこそが最重要」という価値観・指標が中心にあります。

 では、カスタマーサクセスという概念・役割とは何でしょうか。私は「顧客を成功させるために、自社の提供サービスの価値を最大に引き出せるよう支援する。結果として、解約低減、売上増、ポジティブなクチコミを実現し、自社の利益に貢献する」ということだと考えます。これは、自身が企画・運営してるカスタマーサクセスコミュニティのJapanCustomerSuccessCommunity(略称:JCSC)でもよく紹介している一文です。

 具体的に定義すると上記なのですが、覚えるには少し長いですよね。なので私は、カスタマーサクセスを一言で表すにあたり、抽象化して「We’re Happy」と表現しています。お気楽なフレーズに聞こえそうですが、カスタマーサクセスという概念は、このフレーズを実現していく力を秘めています。

 フレーズの中の「We」は自社のことだけではありません。お客様と自社、どちらも合わせて「We」です。ビジネスシーンでは時折、顧客の利益を追求するあまり自社の利益と相反したり、自社の利益を追求してしまうことで、顧客にとって不利益なことをしたりすることがあります。これでは「We’re Happy」とは言えません。

 一方で、顧客の成功のために全力を尽くし顧客の利益に貢献し続けることが、自分たちの利益に直結する場合はどうでしょうか。どちらか一方に損得が偏らず、Win-Winが成り立つ世界。まさにWe’re Happyです。

 カスタマーサクセスとは、新しい用語・概念のように思われますが、昔から変わらない商いの原則なのです。

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この記事の著者

小林 泰己(コバヤシ タイキ)

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