今回の調査で、世界のビジネスリーダーは自社のデジタルトランスフォーメーションを推進することで、今後12ヶ月で17%の投資利益率(ROI)を達成できると予測しており、全体の92%がビジネス優先事項トップ3にデジタル改革の推進が含まれていると回答したという。一方、43%はこれまでのデジタル改革の推進によって、「改革疲れ」がみられ、今後の進捗に大きな影響が出ていると回答している。
デジタルトランスフォーメーションの推進の障壁は何かという問いに対して、「十分な情報を得た上での意思決定ができない」と回答した企業は80%、「適切なスキルを有する人材の雇用およびトレーニング」との回答が46%、「新旧技術の統合」と回答が40%、「レガシーシステムの近代化」が35%だった。
イノベーションに関しては、アジリティーを高めつつ改善し続けるためには、システムにイノベーションが必要との回答が88%、ビジネスアプリケーションを刷新する際にはAI(人工知能)への投資が必要との回答が84%だった。
効率性に関する問いでは、「レガシーシステムとの統合方法を考慮せずにAIを導入したため、統合が困難であった」という回答が78%、また、AIとデータソースとビジネスシステムの統合は、改善の余地があるとの回答が85%に及んだ。
エクスペリエンスに関しては、顧客体験(CX)と従業員体験(EX)への投資は同等に優先すべき重要事項であるとの回答が83%。AIへ投資する前にCXとEXに投資する必要があるとの回答が82%。企業カルチャーと従業員が、成功と失敗を分ける最大のポイントであるとの回答が80%だった。
アバナードのビジネスアプリケーション部門の責任者であるGord Mawhinney(ゴード・マウィニー)氏は「企業ごとにスタート地点は異なり、解決すべき課題もそれぞれ異なるため、デジタルトランスフォーメーションを成功させる万能な方法というものは存在しません。しかし、デジタルトランスフォーメーションを完遂するためのカギとなる3つの要素は存在すると我々は考えています。それは、イノベーション、効率性、エクスペリエンス(体験)です。これら3つのすべてにおいて成熟した企業は、最大限のメリットを享受できます。そして今回の調査結果は、これを証明するものでした」と語った。